食品衛生なんでも相談室



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台風が来た日の海岸。断崖絶壁の上から望む。
平戸市生月町オオバエ灯台にて
 この室(掲示板)の管理人の”おっと”です。管理といって特に何をするわけでもないのですが、毎日一回は室を覗いてみようと思っています。
 管理人の本業は食品衛生監視員(略称、食監)です。大阪のとある保健所の窓口に座っています。窓口にいますと多くの方から質問や相談があります。そういった仕事の中で、「食監の常識、世間の非常識」と思うことが時々あります。なにせ、「どこそこの店は衛生的だ」という話よりも、「どこそこの店ではこんなことがあった、あんなことがあった」と、そんな話ばかりが入ってきますので食監の頭の中は危険情報で一杯になってしまいます。私たち監視員からみたら「そんな物を食べていたら当たるに決まっている」と思うことでも、世間の方は何のおそれもなく口にしていると言う具合です。といっても食監も人の子、毎日何かを食べてはいますが……。
 食中毒による悲惨な事件を目にしてきた管理人が、食監と一般の方々や食品を提供する方々との感じ方の差を少しでも埋め、参加者が食中毒を防ぐ、食中毒にかからないためのヒントを得ることができる場になればと考えています。そのため、この室は参加者による情報交換、ネット上の信頼できる情報を探し、紹介する場として運営していきたいと考えています。また、この関わりの中から私自身も勉強を続けて行きたいと思っています。ただ、開設当初はこの室の存在も知られていませんので、当分の間、相談内容は管理人が実際に見聞きした事例を紹介しています。食品に関係のある方もない方も気軽に発言できる掲示板となることを願っています。
(2001.06.16記)  

 開設以来9年がたちました。現在は窓口勤務を離れ、外回りの日々です。事情があって少し時間に余裕ができTwiteerで時折つぶやき始めました。(2010/10/24記)

 2015年3月末をもって食品衛生監視員証を返納します。1973年4月以来42年にわたって仕事を続けましたが、仕事については最後まで後悔が残ります。
 私たちのメインの仕事は食中毒を防止することです。食品添加物や表示などの問題もありますが、食中毒は細菌とウイルスが原因となり、こちらの方が人の健康被害ということでは99%以上を占めます。私は42年間、主として飲食店や集団給食施設を巡回し事故防止のためには何が大事かを現場で考えてきました。
 指導がうまくいっている場合、食中毒事件は発生せず、私たちの仕事の成果は目に見えません。事件が起こり犠牲者が出ると自分らの失敗が目に見えるようになります。自分が指導した施設で食中毒が発生するたび反省し、自分の至らなさを思うばかりです。
 私はあと1年間、食監証は返上しますが、元の職場で後輩のために頑張ってみようと思っています。なぜ失敗が起きたかを伝えるのが多くを見てきた私の務めと思うからです。この相談室はもうしばらく開設しておきます。皆様のご協力をお願いします。
(2015/03/03記)

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