|HOME|過去ログ一覧表|新規相談|
初めまして。 清涼飲料水の製造基準についてお尋ねします。 pHの条件によって殺菌温度・時間の条件が変わるのですが、 たとえば次のような文言で 「pH4.0未満のものの殺菌にあっては、その中心部の温度を65℃で10分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと」 同等以上かどうかはどの様に判断するのでしょうか。 それがわかるWebサイトや図表などご教授いただけると助かります。 宜しくお願いします
ご質問が加熱殺菌の場合ということでしたら、簡単な考え方としては次のようなことかと考えます。 一般的に加熱殺菌は温度が上がれば短時間で殺菌できます。 菌の種類や食品が何かによっても異なるのですが、例えば、 加熱温度が10℃上がると殺菌に必要な時間は10分の1になるとすれば、 加熱温度が10℃下がると殺菌に必要な時間は10倍になります。 この時の温度をZ値と言います。この場合、Z=10℃になります。 つまり、このケースで65℃の場合を考えると、 65℃10分間加熱と同等なのは 75℃で1分間、85℃で0.1分間、 55℃で100分間になりますので、この時間以上加熱すれば良いことになります。 ただ、清涼飲料水の場合、この温度帯ではZ値は普通5℃を使いますから、 65℃10分と70℃1分が同等ということになります。 加熱殺菌の温度と時間については次の式が成立するとされています。 ので頑張れば計算できます。 logt/F=(基準温度−T)/Z t=F*10^((基準温度−T)/Z) T:任意の温度 t :任意の温度下での死滅時間 F:基準温度での死滅時間 Z:熱感受性を10倍上昇または低下させるのに要する温度変化(℃) このあたりのことは、Nick.さんのサイトが詳しく分かりやすいのかなと思います。 ◇ Theory is the best sauce. > 食中毒 > 63度30分と同等な加熱条件420パターン一覧 https://nick-theory.com/equiv63for30/ 以上は、通常の場合の殺菌ですが、消費者から苦情を受けるような商品の場合は上の条件では危険です。 次のサイトを参考にされたうえ、自社の殺菌条件をご検討されることをお勧めします。 ◇ 「缶詰清涼飲料の製造と微生物管理 大和製罐株式会社 総合研究所 手塚 裕和」 http://www.eiken.co.jp/products_technique/es/pdf/es41.pdf 2018/06/07 加筆修正 清涼飲料水の殺菌時のZ値を65℃殺菌の場合、5℃に修正しました。この殺菌条件は、大腸菌をターゲットとしています。
清涼飲料水の加熱殺菌では 次のZ値を採用するみたいです。 【pH4.0未満】65℃で10分間加熱のものはZ値を5℃とします。(大腸菌対象) 【pH4.0〜4.6】85℃で30分間加熱のものはZ値を8℃とします。(無芽胞菌対象) 【pH4.6以上】120℃で4分間加熱のものはZ値を10℃とします。(ボツリヌス菌対象) 注:pH4.6以上かつ水分活性0.94を超えるものを85℃30分間の条件で殺菌した製品は10℃以下で保存する必要があります。 詳しくは、厚労省の次のサイトをご覧ください。 ◇ 食品別規格基準「清涼飲料水」 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000069964.pdf 1 清涼飲料水の成分規格 2 清涼飲料水の製造基準 3 清涼飲料水の保存基準
ありがとうございました! グラフにするのはターゲットなど条件を把握しないと大変そうですね。DとかZとか… 検索しても簡単に図表が出てこない理由も分かりました。 もっとよく読んでみたいと思います。 取り急ぎ御礼まで。
|過去ログ一覧表|