タイトル |
: Re: 加熱後の鶏肉に赤い線 |
記事No |
: 3235 |
投稿日 |
: 2017/09/15(Fri) 00:47 |
投稿者 |
: おっと |
この現象はよくあることのようですが、なかなか良い説明がないようですね。@の方は肉の色の話で、あまり参考にはならないように思いますが、Aの方はそんなこともあるのかなと思います。RED様が書かれているように温度を測るのが一番安心できるようでもありますね。
@ ロールキャベツの肉が赤いとかハンバーグの肉の色が赤いとかいう話はよく聞きますが、これは野菜中の硝酸塩とミオグロビンとの作用だということになっています。しかし、これ以外のケースもあるようです。(参考1)
A 加熱鶏肉中の赤い線も血液中の鉄分が関係すると思われます。血色素のヘモグロビンも結合する酸素の量によって鮮紅色から暗赤色までります。酸素型(O2Hb)、還元型(RHb)、
メト型(MHb)によって熱変性のスピードが異なるようです。特に新鮮な肉の血液である還元型(RHb)の熱変性は遅いといいます。また、RHbは70℃10分の加熱で変性が認めらないほど安定であったとあります。この時の加熱温度と時間ではサルモネラ属菌やカンピロバクターは殺菌されていると考えられ加熱不十分ということはないと思われます。(参考2)
参考1:食肉科学技術研究所 服部昭仁 #12
加熱食肉の赤色現象はなぜ生じるか? 科研コラム科研コラム(2016年4月号)
http://www.shokunikukaken.jp/topics/438/
------ 引用開始 --------------------------------------------------------------------
結論:加熱した食肉あるいは無塩漬の食肉製品が赤色を呈するのは、試料中に存在する耐熱性の未変性ミオグロビンにおける鉄が還元状態にあること、さらに鉄が未知の要因によって酸化されにくい状態にあることに起因するものと推定される。加熱後の食肉に生じる赤色現象は、衛生的には問題ないが、消費者に不安感をもたらし、食肉加工品を扱う企業の信用問題となるので、消費者・製造業者にこの現象に関する正確な情報を提供することが重要である。そのためには、加熱肉における赤色呈色の現象をさらに科学的に証明する必要がある。
------ 引用終了 --------------------------------------------------------------------
参考2:丹羽慎二・泉本勝利(岡山大学農学部)ヘモグロビン誘導体の熱変性に関する速度論的比較、日畜会報,65(7):668-673,1994
https://www.jstage.jst.go.jp/article/chikusan1924/65/7/65_7_668/_pdf
------ 引用開始 --------------------------------------------------------------------
新鮮な食肉の内部は無酸素状態なので,ヘムタンパク質はほとんど還元型である.そこで,特に新鮮な食肉は充分加熱されても,切断面は酸素化し鮮やかな赤色となる。したがって、赤い色調ゆえに加熱が不充分とは限らないことになる。
------ 引用終了 --------------------------------------------------------------------
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