分かる方がおりましたら教えてください。

未殺菌生乳には、病原性大腸菌やリステリア菌などの病原微生物が含まれている可能性があるため、殺菌方法も決められているかと思います。

そこでご質問なのですが、
・大腸菌は75℃1分以上で死滅といわれておりますが、ＬＴＬＴ法やＨＴＳＴ法でも死滅するのでしょうか？ＨＴＳＴ法は72℃以上15秒以上とされています。
・リステリア菌について、ナチュラルチーズ（未加熱のもの）は危険だといわれておりますが、必ず生乳を殺菌して製造するため死滅しているかと思いますが、危険なのでしょうか？死滅しきれないという認識でよろしいのでしょうか？

よろしくお願い致します。

> ・大腸菌は75℃1分以上で死滅といわれておりますが、ＬＴＬＴ法やＨＴＳＴ法でも死滅するのでしょうか？

そうですね。食品の中心温度が75℃で、1分以上で病原性大腸菌などの食中毒菌は死滅するといわれていますね。

ただ、大腸菌は65℃以上の加熱で容易に死滅するともいわれます。
次の資料によると、「牛乳中のEHEC Ｏ157：Ｈ7は64.5℃、16秒の処理で死滅する。」とあります。これだと、ＬＴＬＴでも大腸菌は死滅することになります。
牛乳中の細菌は食肉中の脂肪などに囲まれた細菌よりも死滅しやすいみたいですね。

-資料-
内閣府食品安全委員会事務局平成21年度食品安全確保総合調査「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」より抜粋
79/378ページ
https://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20110040001

�D殺菌条件　大腸菌は65℃以上の加熱で容易に死滅する。牛乳中のEHEC Ｏ157：Ｈ7は64.5℃、16秒の処理で死滅する。食品の中心温度が75℃で、1分以上加熱により、病原性大腸菌などの食中毒菌は死滅するといわれている。

-参考-
牛乳の殺菌条件
低温長時間殺菌法（LTLT製法）− 63℃で30分加熱処理
高温短時間殺菌法（HTST製法）− 72℃以上で15秒以上加熱処理
超高温殺菌法（UHT) 　　− 120〜130℃で2〜3秒加熱（一般の牛乳のほとんどはこの殺菌法です）
超高温滅菌殺菌法（LL） 　　− 135℃〜150℃で1〜4秒滅菌処理

> �D殺菌条件　大腸菌は65℃以上の加熱で容易に死滅する。牛乳中のEHEC Ｏ157：Ｈ7は64.5℃、16秒の処理で死滅する。食品の中心温度が75℃で、1分以上加熱により、病原性大腸菌などの食中毒菌は死滅するといわれている。

貴重な文献情報ありがとうございます。納得のいく情報を探していたので助かりました。

また、リステリアについての質問も分かりましたら教えてください。（追加質問なのですが、生クリームなども生乳から製造すると思いますがリステリアが残存している可能性はないのでしょうか。殺菌方法はソフトチーズと同じかと思います。）

外国では、ナチュラルチーズは無殺菌の生乳で作られる製法のものもあるようですよ。リステリア菌などの事故例があるところから、無殺菌生乳の使用や二次汚染の可能性もあると思います。

参考１：

リステリアによる食中毒（厚労省）
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html



参考２：

ナチュラルチーズの製法
http://pecodrive.net/?p=2307
まずは乳をチーズバットと呼ばれる浴槽のような容器にいれ乳酸発酵させます。無殺菌乳の場合は環境微生物の乳酸菌で乳酸発酵しますが、殺菌乳の場合は乳酸菌を人為的に加え発酵をさせます。


参考３：

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について（食安発１２２５第１号　平成２６年１２月２５日）
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070457.pdf

第３ リステリア・モノサイトゲネスの規格基準に係る運用上の注意

（３）リステリア・モノサイトゲネスは加熱すると死滅することから、ナチュラルチーズ（ソフト及びセミハードのものに限る。）については、容器包装に入れた後、加熱殺菌したもの又は飲食に供する際に加熱するものは本基準の対象とはされていないことに留意されたい。ただし、加熱によりリステリアが死滅することが明らかである場合であっても、後述の（４）について指導するとともに、リステリア・モノサイトゲネスが十分に殺菌できる条件で加熱殺菌を行うよう指導すること。


参考４：

リステリア・モノサイトゲネスに関するＱ＆Ａについて（食安基発１２２５第５号　食安監発１２２５第５号　平成２６年１２月２５日）
https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/tsuuchi/2014/12/26_1-1.pdf