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タイトル 食中毒について
記事No 2443
投稿日 : 2010/11/18(Thu) 10:23
投稿者 豆類きのこ類
食中毒件数に関しての質問です。

厚生労働省で公表している平成21年度食中毒発生状況ですが、
1,048件の患者数20,249名とあります。
この数値は、医師が食中毒の診断をし、且つ、管轄保健所へ届け出した場合のみの数値というのは承知しております。
その他に、飲食物を介さないものは含まれない。(例えば、塵埃感染や手指等など)
以上の認識で誤りないでしょうか。

また、実際に感染した件数および患者数は相当な数にのぼると思われますが、公の文献などございますでしょうか。

食品従事者向けの講習で話す内容の準備をしておりました。
ご存知の方、お教え下さいますようお願いします。

タイトル Re: 食中毒について
記事No 2444
投稿日 : 2010/11/18(Thu) 16:04
投稿者 滅菌済み
米国でも、食中毒件数は医師からの報告が中心ですが、一部の州(あるいは地域)を対照にフードネットというプログラムでの、実態の推定をしているようです。これは、積極的に食中毒患者を調べて実態を調ているわけですが、日本ではこのようなデータは非常に乏しいようです。
私の知る限りでは国立医薬品食品研究所が、一部の地域で実態を推定する事を試みているという事です。

タイトル Re: 食中毒について
記事No 2445
投稿日 : 2010/11/18(Thu) 23:25
投稿者 RED
> 厚生労働省で公表している平成21年度食中毒発生状況ですが、
> 1,048件の患者数20,249名とあります。
年度ではなく、暦年ではないでしょうか。

> この数値は、医師が食中毒の診断をし、且つ、管轄保健所へ届け出した場合のみの数値というのは承知しております。
> その他に、飲食物を介さないものは含まれない。(例えば、塵埃感染や手指等など)
> 以上の認識で誤りないでしょうか。
調理従事者の手指を介するものは、一部含まれると思います。

> また、実際に感染した件数および患者数は相当な数にのぼると思われますが、公の文献などございますでしょうか。
感染者の数と医師の届出数とは、うーん、かなりのパラメータが存在すると思います。
実務的には、広島市の食中毒患者数と同市の胃腸炎関係の5類感染症の推定届出患者数の比較が一助となると思いますが、それでも患者数と受診者数のパラメータは推定困難です。
以前に、かつて?「厚生の指標」の考察が掲載されていたことがあると記憶していますが、参考になれば幸いです。

タイトル Re: 食中毒について
記事No 2446
投稿日 : 2010/11/19(Fri) 03:05
投稿者 おっと
同じようなことを考えておいでの方はやはりおいでなのですね。
私もこの夏あたりから探していますが、分かりません。
 滅菌済みさん、REDさんの回答で妥当だと思うのですが、私の資料も少しは参考になろうかと思いますので紹介します。

[食ショック]揺らぐ安全(3)レバ刺しに「加熱用
2008年3月21日 読売新聞より
http://blogs.yahoo.co.jp/goovkey/36434134.html
表面化する食中毒は氷山の一角。厚生労働省研究班が昨年、衝撃的な報告をまとめた。宮城県内の住民への聞き取りなどで、腸炎ビブリオの発症者は保健所の統計の30倍、カンピロバクターは120倍、サルモネラは240倍と推定された。関係者の間で言われる「実際の患者は統計の5〜10倍」を上回り、2ケタ多い可能性もある。病院に行かず、保健所が把握しない「患者」の多さを物語る。
 
厚生労働科学研究データベース
http://mhlw-grants.niph.go.jp/index.html
わが国における飲食に起因する経口感染症の被害推計の精密化に関する研究(平成17年度_200400592A)

広島市の食中毒統計報告から
私の作成中資料 http://shokuei.web.infoseek.co.jp/archive/hirosima/hirosima.html

読売新聞のニュースソースをご存じの方 お教え願えませんでしょうか?

タイトル Re^2: 食中毒について
記事No 2447
投稿日 : 2010/11/19(Fri) 18:52
投稿者 RED
> 読売新聞のニュースソースをご存じの方 お教え願えませんでしょうか?
データベースの文献番号200837016Aの、ファイル200837016A0007中127ページ以下でしょうか。

宮城県における積極的食品由来感染症病原体サーベランスならびに急性下痢症疾患の実被害者数推定(微生物に起因する原因不明食中毒の実態調査に関する研究)

タイトル Re^3: 食中毒の実件数について
記事No 2448
投稿日 : 2010/11/23(Tue) 18:42
投稿者 おっと
参照先 http://shokuei.web.infoseek.co.jp/archive/hirosima/kansen.html
REDさんありがとうございました。長い間の胸のつかえがとれました。

でも、厚生労働科学研究データベースは利用者の利便は考慮外のようですね。自力ではなかなか目的にたどりつけません。

> データベースの文献番号200837016Aの、ファイル200837016A0007中127ページ以下でしょうか。

この部分に再度たどりつくのは難儀なので要点だけをコピペしました。
http://shokuei.web.infoseek.co.jp/archive/hirosima/miyagi.html
食中毒の実件数や患者数の推定が難しいのはよくわかりました。

急性下痢症疾患の実被害者数推定でカンピロバクターが報告数の約600倍といわれても、実感としてはそのとおりなのだけど…。

タイトル Re^4: 食中毒の実件数について
記事No 2449
投稿日 : 2010/11/24(Wed) 20:36
投稿者 豆類きのこ類
皆様、いろいろ情報をお教え下さりまして、有難うございます。
推定実数は、今後、積極的な調査があるか判りませんが、より実数に近い値になり、予防等に繋がればなと思います。

タイトル Re^5: 食中毒の実件数について
記事No 2450
投稿日 : 2010/11/28(Sun) 10:07
投稿者 RED
もう遅いかもしれませんが、「患者数20,249名」は行政機関(保健所)が調査のうえ患者として報告した人数であり医師の届出数ではありません。

しかし、医療機関から基準にもとづき機械的に届出された件数が、食中毒調査を実施して掘り起こした患者数(いわゆる24時間365日ってやつです)よりも現実を反映しているとは皮肉ですね。

タイトル Re^6: 食中毒の実件数について
記事No 2451
投稿日 : 2010/11/28(Sun) 11:58
投稿者 おっと
報告件数と実件数の乖離についてはいくつかの理由があると思います。
私の個人的な意見ですが、食中毒事件の場合行政処分を伴うことがその一つの理由と思います。航空機事故の場合も刑事処分が事故防止にあまり役立ちにくいといわれていることと同じ現象があります。
診療機関から機械的に件数として届けられる報告は処分とは無関係なためバイアスがかからないのですね。

他にも次のようなこともあります。
 @症状が軽微なため患者本人に食中毒に罹患したという認識がないもの。
 A医療機関で治療優先だと、検便が必須で無い場合が多く、診察患者が1名では食中毒と疑うのを躊躇する場合。
 (医療機関はむやみに食中毒を疑ってトラブルに巻き込まれるのを避けたい)
 B患者が主催者や営業者に気兼ねして届出をしない場合。
 C患者1名事例の場合、行政は原則として食中毒として扱わない実態。

また、調査して棄却する事例として
 @患者が思いこみで食中毒と勘違いしているとき、医師が不用意に患者の申し立てを否定せず「食あたりですね」と発言した場合。


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