HOME過去ログ一覧表新規相談

過去ログ一括表示
タイトル 落下菌試験について
記事No 2111
投稿日 : 2009/09/09(Wed) 22:28
投稿者 L
こんばんは。
食品会社の品質管理をしている者です。製造現場の環境試験(空中落下菌)を行うように言われたのですが、くわしくないもので教えて下さい。
当社では、すでに一般細菌数と真菌の落下菌検査をしております。
一般細菌は標準寒天培地を5分暴露後、真菌はポテトPDA寒天培地を10分暴露後ふらん機に入れて培養しています。真菌は、10分では暴露時間は少ないでしょうか?
培養後の結果は、例えば食品衛生検査指針などで何個以上出たらダメなどの規格はありますか?
また真菌はカビがいるかどうかということになのでしょうか?
酵母なども含まれますか?培地に一個でもコロニーが出てしまったら大変なことになるのでしょうか?
空中落下菌で真菌が出てしまったら、清掃や室温管理など、どのような対策をとればよいのでしょうか?やはりエアコンなどの空調の清掃を徹底することになるのでしょうか?空気中にエタノールを噴射するのは効果的でしょうか?
よろしくお願い致します。

タイトル Re: 落下菌試験について
記事No 2112
投稿日 : 2009/09/09(Wed) 23:52
投稿者 おっと
>培地に一個でもコロニーが出てしまったら大変なことになるのでしょうか?

商業的無菌(レトルト食品のような)を要求されているのなら大変なことになります。

>エアコンなどの空調の清掃を徹底することになるのでしょうか?

フィルターの清掃も大事ですが、無菌ブースや無菌室が必要です。


>空気中にエタノールを噴射するのは効果的でしょうか?

かえって火事を出したりしませんか?

通常、チルドで販売される「そうざい」などは日持ちに対する落下菌の影響はそれほどではないと思われます。
真空冷却器などは汚染源としてかなりの寄与をしてると思いますが、私の経験では手指などからの汚染に比べると微々たるケースばかりです。

当相談室の過去ログにある次の相談は参考になりませんか?

http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/1665.html
http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/0704.html
http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/1771.html
http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/1526.html
http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/0675.html
http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/0079.html
http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/past_data/log/1179.html

以上はサイトの移転しました。次の補遺:総集編をご覧ください。(2012/10/22)
    衛生規範の落下細菌数および落下真菌数の指導基準値 

タイトル Re: 落下菌試験について
記事No 2114
投稿日 : 2009/09/12(Sat) 02:07
投稿者 おっと
落下菌の問題点整理のため次のようなメモを作ってみました。

メモ

保健所へ届けられる苦情例などで対象を【A】〜【E】のケースに分けしてみました。

【A】 弁当・惣菜 … 加熱不足や二次汚染が問題となり、消費期限がカビ増殖に要する時間よりも短いため落下菌は問題になりにくい。
【B】 打錠菓子、粉末食品 … 水分が少なく、微生物が増殖できないことが多い。
【C】 魚介類乾製品 … 加熱不足や包装時汚染などがあると袋内の湿度が高くなった場合カビが発生し問題となることがある。
【D】 食パン、カステラ、半生菓子 … 放冷時や包装時の手指からの汚染によりカビがよく発生する。落下菌の対策を迫られることが多い。
【E】 清涼飲料水(パック詰め) … 殺菌後充填で常温保存の場合カビ発生が問題になることがある。

メーカーさんの対応は次のようにされています。

【A】落下菌よりも手指や器具からの汚染の寄与が大きい。通常の清掃で大丈夫。
【B】落下菌の影響は器具の清掃でクリアされる。カビ発生のおそれがあるものには乾燥剤が同封される。
【C】乾物であり水を嫌うので、工場内のカビ発生は少ないが、包装室の空調(除湿)につとめる。
【D】丁寧な清掃で対応する。長期流通の場合は念のため、脱酸素剤やアルコール製剤を封入するところが多い。
【E】クリーンルームなどでの無菌充填で対応する。


補足
厚労省の「衛生規範」に指導基準があります。
  参考 http://www.crc-group.co.jp/ESC/jouhousi/PDF/No11.pdf
医薬品はGMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)に関連して、「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」などがあるようですが、食品の場合は無菌であることを要求されるのは「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」など限られたケースですので製造環境管理はかなり大雑把です。
   補遺:総集編
    衛生規範の落下細菌数および落下真菌数の指導基準値
戻る