HOME過去ログ一覧表新規相談

過去ログ一括表示
タイトル 菌について
記事No 1517
投稿日 : 2007/09/03(Mon) 12:17
投稿者 ありじ
品管初心者です。おせわになります。当社は、惣菜を製造しております。私は、その惣菜の菌数試験を主に担当しており、一般生菌数は、殆ど検出されないのですが、たまに10倍希釈のシャーレで数個検出されることがあります。その菌は、耐熱性菌ではないことも確認しています。製造工程では、中心温度が75℃1分以上になるように設計されているようです。(私が調べた限りでは、概ね78℃1分をいじしていました)なのになぜ菌が生きているの?とおもいました。となると、設計通り75℃1分維持できない箇所があるのでしょうか?または、75℃1分では死滅しない非耐熱生菌がいるのでしょうか?どなたか、教えてください?よろしくお願いします。

タイトル Re: 菌について
記事No 1519
投稿日 : 2007/09/03(Mon) 17:46
投稿者 滅菌済み
ありじさま

耐熱性菌でないとしたら、加熱後の汚染というのが最も考えやすいと思われます。
75 度1分というのは少なくともサルモネラ、リステリアなどの食中毒細菌を殺菌するには充分過ぎる条件(過剰すぎるという批判もあるくらい)です。

耐熱性菌ではないという事でしたが、菌によっては胞子を作りにくい場合もありますので、耐熱試験は少し注意が必要になります。本当はグラム染色か3 % KOH で確認するべきですがここでは簡易的に、平板上にできたコロニーをみて、透明感のあるコロニーならほとんどがグラム陰性細菌なので胞子を作る事はまずありませんが、不透明なコロニーが出現した場合はグラム陽性で有る可能性が高いです。なので胞子をつくる可能性を注意深く検討することも必要になるでしょう。

たしかに加熱ムラという疑いもありますので、もし差し支えなければそれも含めて詳しくお聞かせ願えますか?

タイトル Re^2: 菌について
記事No 1520
投稿日 : 2007/09/04(Tue) 16:24
投稿者 ありじ
滅菌済み様、ありがとうございます。
グラム染色の結果は、陽性の桿菌でした。殺菌後の汚染は、考えにくいと考えています。包装状態は気密状態は保たれていました。殺菌庫は、大きいためムラはあるとのことでした。そのため、過剰な78℃を安全を考慮して設定しているそうです。桿菌は、600倍でかなり大きく見えました。私は、あまり鏡検の経験がありません。でも、600倍でこんなに大きく見える菌は、始めてでした。菌は、永久プレパラートの状態で保存されており、生菌はありません。以上、よろしくお願いします。

タイトル Re^3: 菌について
記事No 1521
投稿日 : 2007/09/04(Tue) 17:43
投稿者 滅菌済み
ありじさま

ありがとうございます。グラム陽性の桿菌で、加熱後に現れるとするとBacillus 属のような胞子を形成する菌で有る可能性が高そうです。

私の経験では、セレウス菌(B. cereus)は標準寒天培地の上ではなかなか胞子を作りませんでしたが、NGKG 寒天培地の上ではすぐに胞子をつくりました。なので、ありじさまの分離した菌ももしかしたら胞子を作りにくい菌なのかもしれません。
このような菌を制御する場合は加熱後の冷却が重要になります。

あと密閉容器内ですので、ウエルシュ菌(C. perfringens)やボツリヌス菌(C. botulinum)なども問題も考えると、加熱前の汚染状況と加熱後の冷却の速度を考える必要もあると思われます。

まあ、今回分離されたのはB. megaterium かもしれませんが。

タイトル Re^4: 菌について
記事No 1522
投稿日 : 2007/09/04(Tue) 20:58
投稿者 ありじ
滅菌済み様、ありがとうございました。たいへん参考になりました。当工場もこの夏は過去に例を見ないくらいに暑い環境下での作業でした。そのため、殺菌後の冷却も通常より冷却がかなり遅かったようです。今後、改善の参考にさせていただきます。ありがとうございました。
過去ログ一覧表