HOME過去ログ一覧表新規相談

過去ログ一括表示
タイトル 食中毒菌の増殖と時間経過について
記事No 562
投稿日 : 2005/02/09(Wed) 22:40
投稿者 ともこ
栄養士をしています。
大量調理施設衛生管理マニュアルによると調理後、喫食まで2時間以内とされています。
菌の増殖と調理後の時間経過について詳しく知りたいです。
この2時間という数字の根拠はなんなのでしょうか?
2時間が安全ならどのへんからが危険なのでしょうか?

タイトル Re: 食中毒菌の増殖と時間経過について
記事No 567
投稿日 : 2005/02/17(Thu) 16:54
投稿者 たそがれおじさん
どなたからも書き込みがないようなので。
ご存知のとおり、細菌増殖の要件としては「栄養分」「水分」「温度と時間」の3つが存在することです。増殖をさせなければ良いわけで、一番取り除きやすい要件が、この「温度と時間」になるわけです。
食中毒が発生するには、少なくとも「億単位」の菌数が必要といわれています。細菌は二分裂して増えていくわけですから、1個の細菌が「億単位」になるためには少なくとも27回の分裂が必要になります。
ところで、食品中に1個しか細菌がついていないことは考えられません。
私たちのところでは、定期的に弁当類の収去検査を行っているのですが、大抵、「万単位」の菌が検出されます。これは13回の分裂に相当するわけで、この食品がそのまま増殖をすれば残り14回で「億単位」に達します。
細菌の増殖速度については、次のURLを参照してください。
微生物学講義録、第7章 細菌の増殖=http://www.medissue.co.jp/virus/microbiology/
わかりやすい食品微生物講座=
http://www.shimakyu.co.jp/support/lecture/shokuhinbiseibutu-mokuji.html

舌足らずのようなので、どなたかフォローをお願いします。

2010/12/13(Mon) 23:32 管理人補足

微生物学講義録、第7章 細菌の増殖がリンク切れになっています。おそらく、次のURLに変更されたものと思います。
http://jsv.umin.jp/microbiology/main_007.htm 微生物学講義録(前国立感染症研究所長 吉倉 廣 著

食品微生物講座もリンク切れになっています。おそらく、次のURLに変更されたものと思います。
日本細菌株式会社 微生物学講座=http://www.bacct.com/knowledge/lecture/01/index.html


タイトル Re: 食中毒菌の増殖と時間経過について
記事No 568
投稿日 : 2005/02/18(Fri) 21:03
投稿者 RED
 少しずれた答えになるかもしれませんが、ご容赦ください。
 かつて全国的に実施された学校給食等の一斉点検の調査票には、「調理後の食品は2時間以内に喫食されていますか。」という点検項目がありますが、マニュアル本文には「調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましい。」とされており、2時間までが安全だということではありません。
 喫食までの時間を短くすることは、もちろん重要な対策の一つですが、特に最近は、細菌の増殖と関係ない病因物質による食中毒事件が多発しており、時間による区分は現実的ではなくなってきています。
 学校給食でも、ノロウイルスやサルモネラがほとんどではないでしょうか。

タイトル Re: 食中毒菌の増殖と時間経過について
記事No 567-2
投稿日 : 2010/12/13(Mon) 23:32 補足
投稿者 おっと
 
 補足します。腸管出血性大腸菌O157は10〜100個程度の菌数でも感染するといわれています。
   37.2℃でO157が2分裂するのに必要な時間は30分程度といわれていますので、2時間では4回分裂し最初の約16倍に
   なります。O157を100個食べると発症するとして、最初5個付着していると2時間後には80個となり、
   O157が感染を引き起こさない時間としては2時間あたりまでとなります。
   通常、調理後4時間以内では食中毒の発生が少ないと言われていますから、2時間とは結構厳しい基準ですよね。

   次の私の資料も参考にしてください。
   資料18 温度と時間の黄色ブドウ球菌の菌数及び毒素量に及ぼす影響の推測
 
過去ログ一覧表