HOME過去ログ一覧表新規相談

過去ログ一括表示
タイトル 耐熱性芽胞について
記事No 79
投稿日 : 2004/02/05(Thu) 13:16
投稿者 飲食店経営者
私が付いた師匠は加熱殺菌すれば永久に保存可能と教えてもらいました。(物にもよりますが、だいたい二、三日に一度ぐらい食材の水分活性、Ph、栄養などの状態によりカンでやっていたと思います。)
実際に一度も事故(食中毒)を起こしたことがありませんでした。

目視または味により危険を回避することは可能なのでしょうか?

黄色ぶどう球菌は普段の状態で置いてあるだけで汚染することはあるのでしようか?
耐熱性芽胞とはどんな菌からも発生するのでしょうか?
耐熱性芽胞というものには何処まで神経を使うべきなのでしょうか? 質問多くてすみません。

タイトル Re: 耐熱性芽胞について
記事No 80
投稿日 : 2004/02/05(Thu) 22:30
投稿者 おっと
> 私が付いた師匠は加熱殺菌すれば永久に保存可能と教えてもらいました。(物にもよりますが、だいたい二、三日に一度ぐらい食材の水分活性、Ph、栄養などの状態によりカンでやっていたと思います。)
> 実際に一度も事故(食中毒)を起こしたことがありませんでした。
>
 そうですね。ほとんどの方は事故を起こしたという経験をお持ちでないと思います。
 ただ、それは幸運に恵まれていたとしか言いようがありません。ひょっとすると事故を起こしていても、お客さんが原因を特定できず黙っていたことがあったかも分かりません。

> 目視または味により危険を回避することは可能なのでしょうか?

回避できる場合もあるかも分かりませんが、通常の場合不可能です。大きな食中毒事件が起きた際、患者さんに料理の異常の有無をお聞きしても、美味しかったという答えが大部分です。

> 黄色ぶどう球菌は普段の状態で置いてあるだけで汚染することはあるのでしようか?

 いわゆる、落下菌の問題ということになると思います。ブドウ球菌の場合、食品にもよりますが、空中から落下することによる汚染は無視できます。通常、人間の手指や器具類が犯人です。ただ、人の衣服や唾、頭髪などにも存在し、落下してくることがありますので、常温で4時間を超えて保存するような食品の場合は考慮する必要があります。

> 耐熱性芽胞とはどんな菌からも発生するのでしょうか?

一部の菌が芽胞を産生します。加熱しておいたものが蓋をしていても腐ってくるのは通常、このタイプの菌によります。
セレウス菌やウェルシュ菌が代表的なものです。東京都の食品衛生の窓のウェルシュ菌のページが参考になります。
http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/uerusyu.html

タイトル Re^2: 耐熱性芽胞について
記事No 81
投稿日 : 2004/02/05(Thu) 23:37
投稿者 飲食店経営者
非常に丁寧なお答え頂き有難うごさいます。
それでは芽胞に毒素があると言うことなので、黄色ぶどう球菌自体には毒素はないのでしょうか?
芽胞が出現するまでの短時間で黄色ぶどう球菌を摂取した場合は症状は軽くて済むのでしょうか?

胃腸薬などを服用して悪化することがあると聞いたのですが本当でしょうか?
質問が多くて申し訳ありません。

タイトル Re^3: 耐熱性芽胞について
記事No 84
投稿日 : 2004/02/08(Sun) 16:04
投稿者 おっと
> 芽胞が出現するまでの短時間で黄色ぶどう球菌を摂取した場合は症状は軽くて済むのでしょうか?

黄色ブドウ球菌は食品中で菌が増殖し、そのとき毒素を出します。これは、例の牛乳の事件で有名になりましたね。原料の脱脂粉乳製造中に停電により製造がストップしている間に黄色ブドウ球菌が大増殖し原料中で毒素をつくっていました。この毒素を含んだ脱脂粉乳を原料として低脂肪乳を製造したため、低脂肪乳が毒素を含むことになり真下。低脂肪乳は製造途中で加熱殺菌されましたが、毒素は耐熱性だったために残り、それを飲んだ方々が食中毒にかかってしまいました。

黄色ぶどう球菌は芽胞はつくりませんが、菌が少々(1万個くらいまで)増えたくらいでは、味覚的にも外観でも気がつかないだろうと思います。普通、このようなものを食べても食中毒にもならないし、何ともありません。
おにぎりなどの食中毒のケースでは、多くの場合、握った後6時間もすると患者さんが発生しているようです。このあたりから、弁当類はいくら遅くても4時間以内の喫食をお願いしています。(当然、30分以内に食べることができればそれに越したことはありません。)
つまり、黄色ブドウ球菌はある程度増えると毒素が検出されるようになります。

> 胃腸薬などを服用して悪化することがあると聞いたのですが本当でしょうか?

胃腸薬でも下痢止めのことですね。
これは、人の腸管内で毒素を産生するタイプの食中毒の場合(腸管出血性大腸菌が有名です)、食中毒菌を腸管内に長くとどめておくことになりますから危険です。その間に、どんどん毒素がつくられます。

タイトル Re^4: 耐熱性芽胞について
記事No 86
投稿日 : 2004/02/08(Sun) 16:33
投稿者 飲食店経営者
何度もすいません。
有難うございました。

過去ログ一覧表