タイトル |
: Re: 加熱殺菌の有効性 |
記事No |
: 77 |
投稿日 |
: 2004/02/03(Tue) 22:16 |
投稿者 |
: おっと |
> 黄色ぶどう球菌自体は火に弱いとのこと。
> それでは
> 一度、加熱して完成した食材をどれぐらいのスパン(期間)で
> 火入れ(加熱処理)を行えば
> エンテロトキシンの発生を抑制できるのでしょうか?
黄色ブドウ球菌だけがターゲットならば、一度完成した食材が充分加熱できているとすると、その後の汚染が無い限り再加熱の必要はありません。
たとえば、確実に熱殺菌された容器包装詰め加圧加熱殺菌食品では常温保存可能で消費者が火入れする必要がありません。
飲食店などの現場では、一度完成した料理も耐熱性芽胞菌などが復活してきますので、再加熱が必要です。クックチルなどでは加熱後90分以内に4℃まで下げると安全といいますので、90分位を目安に再加熱すると心配ないでしょう。大量調理マニュアルでは30分以内に食べることが出来ない場合は冷蔵し、調理後2時間以内に食べることとなっています。この場合、2時間毎の火入れが必要ということになります。
ただ、飲食店では90分毎の火入れでは短すぎて難しいとおもいます。
現実的には、朝、昼、夕と食事時間帯毎に加熱。加熱後4時間を過ぎると廃棄処分というのが分かりやすいと思います。
このとき、細菌数は一時間で10倍に増えると考えると、一個の菌が4時間で1万倍になっています。従って、この場合は事故を起こす可能性が皆無ではないことを認識しておく必要があります。
結局、火入れ(再加熱)をどう考えるかということですが、加熱時の残存菌数、二次汚染する菌の種類と数、保存温度、食材の水分活性、Ph、栄養など、不確定要素が多すぎるので、簡潔に言い切れるものではないのが実状です。
|