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昼休み、これまで食中毒にかかった経験の有無が話題になりました。おじさん1名は、これまで経験なし、私と隣の奥さんはともに生カキであたったことが分かりました。奥さんは、その時の経験でもう2度と食べないと誓ったそうです。私は、酢ガキが好きですから毎年食べ続けていますが、過去、3回くらいお腹を壊した覚えがあります。経験的にクリスマスまでは安心して食べることが出来るように思うのですが統計的にはどうなんですかね。 |
生かきによるSRSVの食中毒は、その年の気温、海水温、降雨量など>微妙な組み合わせで発生の時期がずれてきます。早い年には11月から発生しますし、年明けから本格的に発生した年もありました。いずれにせよ、忘年会シーズンともなると、カキを食べる機会が増えるため、比例して事件が増えるという傾向はあります。厳密な統計は機会があったらやってみます。 |
5月25日、TVのニュースで偶然にも兵庫県内のホテルでSRSV食中毒が発生し、便からウイルスを検出したといっていました。 |
生かきの食中毒の原因は、ご存知のとおりSRSV(ちなみに最近ではノーウォーク様ウィルスと分類するほうが主流です。厚生労働省はまだSRSVを使うようですが)が原因となります。このウィルスはカキがもともと持っているものではなく、カキの生態的な特徴により体内に濃縮したものです。もとはといえば、人間の体内において増殖する性質を持ち、便とともに排出されたウィルスが手などを経て直接、あるいは水(海水を含む)を伝播手段として食品を汚染したために発生します。したがって、SRSV食中毒に関しては、その発生に季節的な偏りはなく、むしろ年中発生します。カキによる中毒が11月〜3月に集中するのは、養殖カキの出荷シーズンがたまたまこの時期だけということからです。最近の傾向として、患者の人数という面から見ると、むしろ春・秋にとくに宴会施設を原因として発生するSRSV食中毒事件が目立ちます。疫学的に原因食品を推定すると、ケーキ、フルーツ、オードブルなど調理後低温で保管されていたものが目立ちます。これは調理者等から二次汚染(用便後の手洗い不全・せきやたん)をうけ低温におかれたためにウィルスが失活せずに提供時まで残ったものと推定されます。管理人様のお示しになった事例の三つ葉も、このことで説明がつくと思います。 |