タイトル | : Re: 希釈倍率について |
記事No | : 3674 |
投稿日 | : 2025/04/08(Tue) 15:19 |
投稿者 | : 引退済み |
なにか,似たようなハンドルネームで驚いております。狙ったものではなく,以前もこの名前でこちらに書き込みさせていただきました。名前の通り私はもう食品衛生の世界の人間ではなく,手元に食品衛生検査指針すらない状態ですのでそのところをご理解の上おねがいします。 さて,多くの資料に載っていることでは,液体試料でない場合は,1/10 に希釈した10倍希釈試料からシャーレに入れて測定することになります。その場合30‐300 のコロニーが出現した平板培地で菌数を計算するとなると30 x 10 で3.0 x 10^3 (=300) cfu/g (またはcfu/mL) が下限値になります。ただ、現役の頃に読んだ海外の資料では,最も濃い試料で30 未満だった場合も「推定値(est.)」ということで計算値を出すことを記していたものがありました。このことは,測定の限界を下回っていても試料中に細菌が存在していてたということを示すためだと考えられます。 また,当時読んだ文献では,寒天培地を2倍の濃度で調製して,シャーレの中で10 mL の検体と,10 mL の2倍濃度の寒天培地を混合したという手法がありました。似たようなやりかたは,嫌気性菌を扱う際の,クロストリジア培地を用いたパウチ法での菌数測定でも,同じように寒天培地と同じ量の試料混合していたと記憶しております。 このような手法をとることで,固体試料でも液体試料と同じように,30 cfu/mL を下限とした測定は可能なはずです。ただし,残渣が多く培地の観察がしにくいので,フィルター付きのストマッカーバッグを使うことや,試料と混合したときに寒天培地がすぐに固まらないように冷たい希釈水をつかなわいようにするなどの工夫が必要になると思います。
|