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タイトルOLとCLの違いについて
記事No3659
投稿日: 2024/12/14(Sat) 17:10
投稿者でこ
お世話になっております。

HACCP整理表を作るうえで、OLとCLの違いが今一よくわかりません。
OLは現場の運用とイコールにしておりますが、CLはどのように記載すればよいかが不明です。

良い資料等ありますでしょうか

タイトルRe: OLとCLの違いについて
記事No3660
投稿日: 2024/12/15(Sun) 21:18
投稿者おっと
> OLとCLの違いが今一よくわかりません。

私がHACCPを教えてもらった頃にはCLだけでOLというのは聞いたことがなかったように思います。当時はOLの概念はありましたが、基準値が二つあるのはおかしいというので、無理やりCLのみ記載していたように思います。

 改めてgoogle で調べてみたのですが、用語の定義としては次の部分が分かりやすいのかなと思います。

冷凍食品製造者向け HACCPに基づく衛生管理のための手引書 (第2版:令和3年6月)一般社団法人 日本冷凍食品協会
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000808133.pdf
Page 19 - 21

3)管理基準(CL)の設定(手順8:原則3)の次の部分

 CLの科学的根拠を設定する場合は、法令あるいは行政の基準や専門家の文献情報などを参考にすること。その結果に幅がある場合は、安全を担保するために厳しい結果を採用すること。CLは一般的に温度、時間、pH、水分活性、官能検査の結果などを設定する。例として、加熱温度条件をCLとする場合、加熱後の中心温度が 75℃以上を 1分間以上担保できる設定にすることが多いが、ノロウイルスを対象とした場合は 85〜90℃を 90 秒間以上担保できる設定にすることが必要である。なお、耐熱性芽胞菌は通常の加熱では低減・排除できないので、加熱後、素早く冷却することが重要である。この様な加熱条件を設定する場合は、厚生労働省が策定している「大量調理施設衛生管理マニュアル」を参照することが適切である。

 CLを逸脱した食品は安全が担保されず、廃棄などの処置となり経済的にも負担が大きくなることがある。このような事態を避けるためには、CLよりも厳しい条件である運用基準(以下、「OL」:Operation Limitという)を設定することが適切である。通常時は、OLで工程を管理することで安全性に余裕を持ち、逸脱があればCLに達する前に修正を行うという運用が現実的である。なお、CLが決められていないとOLを定めることはできない。

5)改善措置の設定(手順10:原則5)の次の部分

 なお、OL逸脱は基準内であるが、潜在的な異常あるいは予兆の可能性がある。そのため、発生状況と是正対応については、記録が必要である。CCPの記録様式にOL異常時の記録欄を作成しておくと分かりやすい。

タイトルRe: OLとCLの違いについて
記事No3661
投稿日: 2024/12/22(Sun) 12:46
投稿者おっと
> 良い資料等ありますでしょうか

 整理表については、ネットを探してみましたが、的確な事例を見つけることができませんでした。このあたりのことは、認証機関によってもいろいろな考え方があるようです。
 でこさんの会社の整理表がどのようなものを求められているのか分かりませんが、考え方については、資料1にある通りだと思います。
 整理表の記載方法については、資料2の冷凍食品製造事業者向けが参考になるのではないでしょうか。
整理表には管理限界として作業限界(OL)を記し、その根拠として管理基準(許容限界)(CL)を記すのもありかなと思います。

資料1:HACCPに基づく衛生管理のための手引書(食肉処理業向け)
    令和3年7月 食肉流通HACCP手引書作成委員会
    https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000816506.pdf
以下引用
《事例》メンチカツの油調工程
(1)CCP工程の管理基準(許容限界)の設定およびモニタリング
 油調前のメンチカツ原料肉や具材に残存している食中毒菌を死滅させるためには、油調後、中心温度を75℃以上にする必要があります。この条件を満たすための油調温度および油調時間を管理基準(許容限界)(CL)とします。
 管理基準(許容限界)は、その条件を逸脱した場合、食中毒菌が残存し、消費者への健康被害を発生させる可能性があります。そのため、実際の管理では、より厳しい条件である作業限界(OL)を設定し、その値で管理します。
 例えば、管理基準(許容限界)を160℃ 、7分間とした場合、作業限界は165℃ 、7分30秒のようにします。
 バッチ式で油調する場合のモニタリング方法は、フライヤーの温度計の目視確認および投入から揚げるまでの油調時間です。油調時間を一定に出来る連続式の場合は、油の温度を目視確認します。


資料2:冷凍食品製造事業者向け HACCPに基づく衛生管理のための手引書
    平成30年12月(第2版:令和3年6月) 一般社団法人 日本冷凍食品協会
    https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000808133.pdf
ページ 94/135
1.白身魚フライ(凍結前加熱、無加熱摂取冷凍食品)【事例1-4-1】
HACCPプラン1