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タイトルトマト・いちごの洗浄・殺菌処理について
記事No3507
投稿日: 2021/10/01(Fri) 14:24
投稿者佐橋
いつも、お世話になっております。
今回も、おっとさんに教えていただき、保育園の衛生管理の質の向上に努めたいと思います!

大量調理マニュアルには、下記のように書かれています。
@材料の選別
A流水で3回以上水洗い
B中性洗剤で洗う
C流水で充分にすすぎ洗いをする
D必要に応じて(生食)、次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌したあと、充分にすすぎ洗いをする。
E水切りをして、専用のまな板・包丁でカット

ひとつめとして、保育園では、中性洗剤を使用していないことが多いのですが、細菌への対応として、加熱 又は 次亜塩素酸ナトリウムを使った殺菌処理をしていればよいと考えて大丈夫でしょうか?学校給食で洗剤を使用していなかったり、あまり監査で指摘されることがないのはこういうことなのかな〜と思うのですが、いかがでしょうか?洗剤を使った方がよい点などあれば、その点も教えていただきたきです。

ふたつめとして、次亜塩素酸ナトリウムの使用についても、実施していない園も多く、所轄の保健所に問い合わせをしたところ「やらない場合は、園でやらないという覚悟を持って衛生計画をたててください」と言われました。多くの園が実際には行っていないのうでしょうか?マニュアルでは低年齢児の場合、殺菌処理を行うことが推奨されているので、やるべきだと考えてよいでしょうか?

3つ目として、殺菌処理をする場合、抵抗があるのがそのまま食べるトマトやいちごです。下記のような対応でよいのでしょうか?

@へたをとりざるに入れる
A流水で3回以上洗う
B次亜塩素酸ナトリウム溶液で殺菌(200mg/L・5分間又は、100mg/L10分間)したあと充分にすすぎ洗いをする。
C水切りをして、専用のまな板・包丁で切る

次亜塩素酸ナトリウムは、臭いが気になるのですが、強酸性電解水やブランチングによる殺菌など、コストをかけられない場合、この処理方法が一般的だと思っていてよいでしょうか。

殺菌消毒は、濃度と浸水時間を厳守すれば、子どもにとって危険なものではないということを伝えて、きちんと消毒をするように改善したいと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

タイトルRe: トマト・いちごの洗浄・殺菌処理について
記事No3508
投稿日: 2021/10/02(Sat) 10:31
投稿者おっと
結論だけ先に書きます。

Q@ 中性洗剤を使用していないことが多いのですが、細菌への対応として、加熱 又は 次亜塩素酸ナトリウムを使った殺菌処理をしていればよいと考えて大丈夫でしょうか?
A@ 大量調理マニュアルどおりの方法をお奨めします。

QA マニュアルでは低年齢児の場合、次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌処理を行うことが推奨されているので、やるべきだと考えてよいでしょうか?
AB そのとおりです。殺菌処理をお奨めします。

QB トマトやいちごは下記のような対応でよいのでしょうか?
AB 大量調理マニュアルどおりの方法をお奨めします。

タイトルRe^2: トマト・いちごの洗浄・殺菌処理について
記事No3515
投稿日: 2021/10/04(Mon) 13:32
投稿者佐橋
今回も、わかりやすく教えていただき本当にありがとうございました!

タイトルRe: 次亜塩素酸ナトリウムの有効性の例
記事No3509
投稿日: 2021/10/02(Sat) 12:08
投稿者おっと
 生鮮野菜が原因となった食中毒は、食中毒全体の事例の中ではほとんど発生していないと言えるくらいごく一部なのですが、たまには発生しています。

 その中で、次亜塩素酸ナトリウムが食中毒を防止したと考えられる「老人ホームで発生した腸管出血性大腸菌O157 食中毒事案」があります。

 同じキュウリを使用し「きゅうりのゆかり和え」を提供した4施設のうち、キュウリを殺菌せず提供した2施設では患者が発生したのに対し、次亜塩素酸Naによる殺菌又は加熱処理した施設では患者が発生しませんでした。

 詳しくは厚労省の次の通知をご覧ください。

◇ 老人ホーム等における食中毒予防の徹底について(平成28年9月16日 生食監発0916第1号)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000137089.pdf

--- 参考 ---
◇ キュウリのゆかり和えによる腸管出血性大腸菌食中毒をめぐって(今日の疑問 2017/02/28)
http://shokuei.sblo.jp/article/180451746.html
 

タイトルRe^2: 次亜塩素酸ナトリウムの有効性の例
記事No3514
投稿日: 2021/10/04(Mon) 13:31
投稿者佐橋
殺菌処理の重要性はとてもよくわかりました。
保育園では、殺菌処理が面倒だということで、生の野菜や果物を出さない園もありますが、生の果物や旬のトマトは、日本の気候や風土をから生まれる食の豊かさを子どもたちに伝えることができる食材です。
労力をかけても「生の果物を体験する」という食育目標を掲げて、その価値を保護者、職員と共有しながら、安全な提供を提供していくことを目指したいと思います。

タイトルRe: トマト・いちごの洗剤を使った洗浄
記事No3510
投稿日: 2021/10/02(Sat) 14:27
投稿者おっと
 一般に野菜や果実類はワックスでおおわれているものも多く、農薬などの洗剤洗いは除去効果が高いと言われているように思います。

 弱酸性電解水や微酸性電解水を使用する場合は野菜類の有機物による電解水への負荷を下げるためには洗浄剤の使用は有効かと思います。
 また、次亜塩素酸ナトリウム殺菌の前に洗浄剤を使用した洗浄をすることは有効であったという報告があります。(下記資料参照)

 私の感覚で言えば、野菜類の細菌数は水洗いで10分の1になり、さらに次亜塩素酸ナトリウムを使用することによってその10分の1、つまり、最初の菌数の100分の1まで減らすことができると思っています。

 なお、洗浄剤を使用しなかったことにより発生したとされる食中毒事例は私が探した範囲では見つかりませんでした。

--- 資料 ---
◇ カットキュウリの次亜塩素酸ナトリウム殺菌における食品用界面活性剤の前処理効果
中川 良二, 藪内 裕子, 八十川 大輔, 長島 浩二, 渡邉 由子, 大友 直也, 江本 直幹
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/51/7/51_7_367/_article/-char/ja/

タイトルRe^2: トマト・いちごの洗剤を使った洗浄
記事No3512
投稿日: 2021/10/04(Mon) 13:27
投稿者佐橋
次亜塩素酸ナトリウムについては、保健所から強く推奨されますが、中性洗剤の使用については、何も言われないのは、洗剤を使用しないことにより、食中毒が起こっていないからなのかも。と思いました。

洗剤に頼ってしまうとかえって流水での洗浄が甘くなってしまう気がするので、今まで通りや野菜の形状に合わせて、こすり洗い、もみ洗い、ふり洗いなどを徹底する方向で、衛生管理計画書を作成したいと思います。

タイトルRe: トマト・いちごによる食中毒事例
記事No3511
投稿日: 2021/10/02(Sat) 14:53
投稿者おっと
 過去に、トマトやいちごが原因となった食中毒について調べた二本の記事を参考までに紹介します。

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★ サルモネラ属菌食中毒4例(今日の疑問 2020/09/26)
http://shokuei.sblo.jp/article/187963166.html

 この記事では4事例を紹介しましたが、うち1事例が原因食品はミニトマトでした。

 2020年10月16日、岐阜県内の保育所で原因食品がミニトマトによるサルモネラ属菌食中毒が発生しています。これは、喫食者 122名うち 34名が発症しています。
 当日のメニューはハヤシライス、のりサラダでしたが、のりサラダの原料のミニトマトからサルモネラ属菌が検出されたようです。

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★ 広域で散発的に発生する食品媒介感染症(今日の疑問 2017/08/26)
http://shokuei.sblo.jp/article/180781984.html

 この記事では、生ではありませんが2事例を紹介しました。

・ A型肝炎(セミドライトマト)
 2009年3月 オーストラリアのビクトリア州のスーパーの利用とセミドライトマトの喫食が発症に有意に関連。セミドライトマトからA型肝炎ウイルスが検出された。

・ ノロウイルス(冷凍イチゴ)
 2012年9月 4,000人以上の症例が学校及び保育施設で発生していることが示された。中国から輸入された冷凍イチゴが原因であった。"

--- 出典 ---
八幡裕一郎(国立感染症研究所感染症疫学センター),「広域で散発的に発生する食品媒介感染症のアウトブレイク」の疫学調査,食品衛生研究2017年8月号

タイトルRe^2: トマト・いちごによる食中毒事例
記事No3513
投稿日: 2021/10/04(Mon) 13:28
投稿者佐橋
過去の食中毒事例を教えていただき、ありがとうございました。
衛生管理は、ケーススタディーがとても重要だと思いました。