いつもありがとうございます。保育園に調理・加工の記録簿をつけてもらうにあたり、よくある質問に対しての回答文をつくりました。間違っている点がないかを見ていただき、ご指摘いただけるとうれしいです。お願いします。
記録簿の項目は
加熱品の中心温度 加熱開始時刻→焼き・揚げ・蒸しのみ 加熱終了時刻 冷却開始時刻 冷却終了時刻と温度 保冷設備への搬入時刻 保冷設備への搬出時刻 調理室からの搬出時刻 です
■調理保管の記録簿についてよくある質問 【質問】ごはんの加熱の記録がないのは何故でしょうか? 【回答】炊飯では、一旦100℃に達しているため、中心温度を計る必要はありません。また、設備管理(点検)ができている保温機能付き炊飯器を使用している場合は、保温開始時刻も必要がありません。炊飯器から取り出した時刻「保温設備からの搬出時刻」を記載して、その後65℃以下の危険温度帯にならないように管理します。
【質問】みそ汁は、中心温度の計測が1点で、焼き物のハンバーグは3点なのは何故ですか? 【回答】みそ汁の具である「かぼちゃ」は、出汁で煮てやわらかくなっているので、温度が均一だと考えることができます。そのため、計測は1箇所で問題ありません。一方、ハンバーグ焼き物は、焼きムラなどで、温度が75℃以上に達していない可能性があるため3点確認します。ただし、マニュアルでは、設定した条件下に基づき加熱を繰り返す場合は、最も熱が入りにくいと考えられる場所1点のみでもよい。となっています。 ※みそ汁については、100℃付近に達していることが目て見てわかるため、温度計測を求めていない保健所もあります。
【質問】サラダの調理について、急速冷却機がある場合の冷却・保管の記録について教えてください。 【回答】設備管理(点検)が行われいてる基であれば、30分以内に10℃付近に温度が下がっていると考える事ができます。また、冷却後、移動させることなくそのまま保冷する場合は、危険な温度帯になることがないため、急速冷却機を使用する場合は、「冷却開始時刻」と「保冷設備からの搬出時刻」を記録すればよいということになります。
【質問】サラダの調理について、加熱後に水で冷やす場合の記録について教えてください。 【回答】水質管理ができている前提で、水冷後の食材の温度を記録します。そして、水冷直後に冷蔵庫に入れる場合は、「冷却終了時刻」と「保冷設備への搬入時刻」を同一時刻として記録し、冷蔵庫で保冷します。冷蔵庫から出す際には「保冷設備からの搬出時刻」を記録します。
【質問】牛乳の「保冷庫への搬入時刻」の記録がないのは何故ですか? 【回答】牛乳は納品時の検収で「受け入れ時刻」と「温度」を記録することになっています。牛乳は、その時点で保冷設備となる冷蔵庫に入れるため「受け入れ時刻」=「保冷設備への搬入時刻」となります。記録は、安全に実行したことを証明するものなので、重複して記録する必要はありません。ただし、検収に時間を要したり、運搬が必要な環境で、牛乳が10℃以上になる可能性がある場合は、受け入れ時刻とは別に記録する必要があります。
【質問】記録が必要な項目は決まっているのですか? 【回答】HACCPに沿った衛生管理では、加熱や消毒で菌をやっつけて、その後は、食中毒菌の発育至適温度帯を避けて、菌を増やさない・つけない管理を行います。そのため、調理工程に応じて、おおよそ管理すべき項目は決まります。しかし、実際には園の設備(調理機器)や食数、配膳方法(調理室・各クラス)によって、管理方法は大きく異なります。HACCPに沿った衛生管理では、各園で、危険がどこに潜んできるかを検討し、そのリスクを下げるための基準や手順を決めることが求められており、手順は園の調理環境に大きな影響を受けます。衛生管理について、不明な点がある場合は、所轄の保健所に問い合わせてみましょう。保健所は、指導監査の役割があるため、敬遠しがちですが、食品衛生のプロフェッショナルなので、園の環境に合わせて安全な管理方法を教えてくれます。強い見方なので、積極的に質問していただくとよいと思います。
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