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タイトル大量調理マニュアルの加熱後の冷却の記録について
記事No3453
投稿日: 2020/12/23(Wed) 15:44
投稿者佐橋
大変お世話になっております。いつもありがとうございます。加熱と冷却・保管に記録についてお尋ねさせていただきます。

HACCPに沿った衛生管理を実施する上で、調理・保管の記録簿を作成しております。システムから日ごとに献立名・材料名がでるので、そこに書き込めるような様式をつくろうと思っております。

料理(材料)に対して5項目で網羅できなかと考えております。

@
【加熱品】中心温度(℃)・時間(分)※揚げ物は油温度記載
又は
【非加熱品】適切な洗浄・殺菌

A
加熱開始時刻 【揚げ物・焼き物・蒸し物】
又は
冷却(保冷)開始時刻・庫内温度【非加熱品・加熱後冷却品】

B
調理終了時刻

加熱(保温)終了時刻
又は
冷却(保冷)終了時刻・庫内温度【非加熱品・加熱後冷却品】

C
盛り付け 又は食缶への移し替え時刻

D
提供時刻

ここで、自信がないところが、A Bのところです。施設によって環境が違いますが、それぞれに合わせ書き込むことができならと思っております。

冷却機がある園では、A冷却開始(時間)→ B冷却終了(時間) となります。

冷却機がない園では、B水冷・保冷開始(時間)→ B保冷終了(時間) となります。

水冷ができない場合は、A小分けして放冷(時間〜時間)、保冷開始(時間)→B保冷終了(時間)

としようかと思っております。

記録をとることで、危険温度帯で放置されることがないようにしたいです。助言をいただけたらうれしいです。

お願いいたします。

タイトルRe: 大量調理マニュアルの加熱後の冷却の記録について
記事No3454
投稿日: 2020/12/26(Sat) 21:07
投稿者おっと
> HACCPに沿った衛生管理を実施する上で、調理・保管の記録簿を作成しております。

 佐橋様の計画によると、HACCPでいうところの重要管理点が@にまとめてあるという感じなのですね。

 話が少しそれますが、食中毒発生施設での原因究明のための調理状況調査では、

@ 加熱不足はなかったか
A 菌が増殖できる時間を与えなかったか
B 食材、手指、器具類からの二次汚染はなかったか
C 原材料に食中毒起因菌、ノロウイルス、ヒスタミン等の汚染はなかったか

について調査します。

 佐橋様の計画で、大体の作業の流れは把握できそうですね。

 参考までに、厚労省の「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」の次の手引書は、要求事項が多いですが、衛生管理の参考になると思います。

◇ 【医療・福祉施設を対象とするセントラルキッチンにおけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書】[PDF 21,577KB]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00005.html

 上記のエッセンスが,下の「小規模な一般飲食店事業者向け」です。
これは大量調理施設衛生管理マニュアルの要求事項を満たしていませんが、重要管理点の管理の要点が分かりやすいです。

◇ 【小規模な一般飲食店:詳細版】 [PDF 2,538KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000479903.pdf

タイトル保育園等での食中毒
記事No3455
投稿日: 2020/12/26(Sat) 22:54
投稿者おっと
 相談に関連して補足です。

 HACCP方式の衛生管理は食中毒事件発生防止にとって有効だと思うのですが、加熱の温度管理に頼るだけでは食中毒を完全に防止することはできません。
 まず、どのような失敗事例があるのでしょうか。

 そもそも、保育園や学校の給食では、原則、昼食の提供で、当日調理になっていると思います。
 このことが、食中毒の発生が少ない大きな理由と思います。

 しかしながら、厚労省の統計資料から平成27年から令和元年に保育園や幼稚園で発生した食中毒の病因物質を調べたところ、次のとおり42件を確認できました。()内は発生件数です。

 ノロウイルス(16)、ヒスタミン(15)、サルモネラ属菌(6)、カンピロバクター(1)、腸管出血性大腸菌(1)、その他の病原大腸菌(1)、セレウス菌(1)

 ノロウイルスとサルモネラ属菌は食品の中心部まで火が通るように十分に加熱することで防止できますが、加熱が関与しない部分で食中毒が発生しているようです。

 ちなみに、少し古いですが、事業所給食なども含めた集団給食における食中毒は次のような状況でした。


◇ 集団給食施設における食中毒の原因となったメニュー例と防止対策(当相談室)
http://www.shokuei.sakura.ne.jp/archive/genin.html

 次は、発生要因は特定できませんでしたが、次のような事例もあります。

◇ ブロッコリーのおかかあえが原因となったG群溶連菌食中毒(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/183386498.html

 保育園児などはサルモネラ属菌とヒスタミンに感受性が高いことが知られています。

◇ 保育園給食でのサルモネラ属菌による食中毒(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/180606173.html 

◇ 保育所給食で「まぐろの味噌がらめ」が原因食品となったヒスタミン食中毒/山梨県(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/184559696.html

◇ 集団給食施設でヒスタミン食中毒が起きるのは原料の魚に問題がある(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/181951436.html

タイトルRe: 保育園等での食中毒
記事No3456
投稿日: 2020/12/29(Tue) 20:13
投稿者佐橋
おっとさん、お返事ありがとうございます。
保育園で発生している食中毒のケースを見て、食中毒が「加熱」だけでは防ぐことができないことがよくわかりました。

保育園では、HACCPの重要管理点(加熱・殺菌)だけでなく、一般的な衛生管理、菌を付けないことや、加熱で死滅させることができない菌がある食材を持ち込まない、そして菌を増やさないことも大切ということですね。

衛生管理では、多くのケースを知って対応することがとても大切ですね!おっとさんは、いつも食中毒が発生した経緯を丁寧に示してくれるので、本当に勉強になります。感謝しております。ありがとうございます。

別件となりますが、先日、おっとさんのブログを読んでいて、現在は公務員ではないことを知りました。実は、私は今は保育園現場ではなく、企業で保育園給食に携わっております。もし可能であれば、おっとさんにご協力いただけないかと思っております。

一度、詳しい内容をお伝えさせていただけたらうれしいです。どうか、非表示のメールアドレスにご連絡をお願いします。

私のように知識が足りずに不安に持っている方、また小規模園の担当者で知識がないがゆえに危険な対欧をしている人に対して、おっとさんの正しい情報をお伝えいただき、子どもたちの安全を守りたいと思います。このようなことをお伝えする場ではないと承知で、ご連絡先がわからず、記載させてただきました。どうぞよろしくお願いいたします。ご連絡を心よりお待ちしております。

タイトルRe^2: 保育園等での食中毒
記事No3457
投稿日: 2020/12/29(Tue) 21:28
投稿者おっと
佐橋様

 ご丁寧に有難うございます。
 幾ばくかお役に立てたようでしたらうれしい限りです。
 質問や疑問につきましては、匿名でご相談いただきましたら支障が少ないかと思いますので、こちらの相談室へ投稿いただきますと有難いです。
 また、現場での経験に基づくコメントなどをいただきましたら助かります。
 今後ともよろしくお願いします。

おっと

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