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「食品、添加物等の規格基準」(昭和三十四年十二月二十八日)(厚生省告示第三百七十号) P53
E 器具又は容器包装の用途別規格
1 容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰食品又は瓶詰食品を除く。以下この項において同じ。)の容器包装
容器包装詰加圧加熱殺菌食品の容器包装にあつては,次に掲げる条件のすべて(封かんが巻締めにより行われた容器包装にあつては(4)の条件を除く。)を満たすものでなければならない。
(1) 遮光性を有し,かつ,気体透過性のないものであること。ただし,内容物が油脂の変敗による品質の低下のおそれのない場合にあつては,この限りでない。
(2) 水を満たし密封し,製造における加圧加熱と同一の加圧加熱を行つたとき,破損,変形,着色,変色などを生じないものであること。
(3) 強度等試験法中の耐圧縮試験を行うとき,内容物又は水の漏れがないこと。
(4) 強度等試験法中の熱封かん強度試験を行うとき,測定された値が23N以上であること。ただし,箱状の容器包装であつて,強度等試験法中の内圧強度試験を行うとき,破裂時の最大圧力が20kPa以上であるものについては,この限りでない。
(5) 強度等試験法中の落下試験を行うとき,内容物又は水の漏れがないこと。ただし,容器包装が小売のために包装されている場合は,当該小売のための包装の状態のまま試験を行うこと。
2 清涼飲料水(原料用果汁を除く。以下この目において同じ。)の容器包装
清涼飲料水の容器包装は,ガラス製容器包装,金属製容器包装(容器包装の開口部分に,密封のために金属以外の材質を用いたものを含む。以下この目において同じ。),合成樹脂製容器包装,合成樹脂加工紙製容器包装,合成樹脂加工アルミニウム箔はく製容器包装又は組合せ容器包装(金属,合成樹脂,合成樹脂加工紙又は合成樹脂加工アルミニウム箔はくのうち二以上を用いる容器包装をいう。以下この目において同じ。)であつて,次の(1)から(4)までにそれぞれ掲げる条件をすべて満たすものでなければならない。
(1) ガラス製容器包装
1 回収して繰り返し使用するものにあつては,透明なものであること。
2 次の試験法による試験に適合するものであること。ただし,紙のふたにより打栓するものにあつてはこの限りでない。
a 炭酸を含有する清涼飲料水を充てんするものにあつては,強度等試験法中の持続耐圧試験を行うとき,ガス漏れがないこと。
b 清涼飲料水を熱充てんするものにあつては,強度等試験法中の耐減圧試験を行うとき,空気漏れがないこと。
c 炭酸を含有しない清涼飲料水であつて,かつ,熱充てん以外の方法で充てんするものにあつては,強度等試験法中の漏水試験を行うとき,内容物の漏れがないこと。
(2) 金属製容器包装
1 次の試験法による試験に適合するものであること。
a 容器包装内の圧力が常温で大気圧を超えるものにあつては,強度等試験法中の耐圧試験を行うとき,空気漏れがないこと。
b 容器包装内の圧力が常温で大気圧と同等又はそれ以下のものにあつては,強度等試験法中の耐減圧試験を行うとき,空気漏れがないこと。
2 容器包装の開口部分に,密封のために金属以外の材質を用いたものにあつては,次の試験法による試験に適合するものであること。
a 強度等試験法中のピンホール試験を行うとき,ピンホールを認めてはならないこと。ただし,開口部分を下にして試験を行うこと。
b 密封のために用いる金属以外の材質は,強度等試験法中の破裂強度試験を行うとき,測定される値が490kPa以上であること。
c 密封のために用いる金属以外の材質は,強度等試験法中の突き刺し強度試験を行うとき,測定される値が15N以上であること。
(3) 合成樹脂製容器包装,合成樹脂加工紙製容器包装及び合成樹脂加工アルミニウム箔はく製容器包装
1 内容物に直接接触する部分に使用する合成樹脂は,第3 器具及び容器包装の部のD 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の材質別規格の項の2 合成樹脂製の器具又は容器包装の目の(2) 個別規格において個別規格の定められたものであること。ただし,合成樹脂加工アルミニウム箔はくであつて密封の用に供されるものについては,この限りでない。
2 次の試験法による試験に適合するものであること。
a 強度等試験法中の落下試験を行うとき,内容物又は水の漏れがないこと。
b 強度等試験法中のピンホール試験を行うとき,ピンホールを認めてはならないこと。
c 熱封かんにより密封する合成樹脂加工紙製容器包装にあつては,強度等試験法中の封かん試験を行うとき,空気漏れがないこと。
d 熱封かんにより密封する合成樹脂製容器包装及び合成樹脂加工アルミニウム箔はく製容器包装にあつては,強度等試験法中の耐圧縮試験を行うとき,内容物又は水の漏れがないこと。
e 王冠等により密封するものであつて炭酸を含有する清涼飲料水を充てんするものにあつては,強度等試験法中の持続耐圧試験を行うとき,ガス漏れがないこと。
f 王冠等により密栓するものであつて清涼飲料水を熱充てんするものにあつては,強度等試験法中の持続耐減圧試験を行うとき,メチレンブルーの着色を認めてはならないこと。
g 王冠等により密栓するものであつて炭酸を含有しない清涼飲料水を熱充てん以外の方法で充てんするものにあつては,強度等試験法中の漏水試験を行うとき,内容物の漏れがないこと。
(4) 組合せ容器包装
1 金属は,第3 器具及び容器包装の部のD 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の材質別規格の項の4 金属缶(乾燥した食品(油脂及び脂肪性食品を除く。)を内容物とするものを除く。以下この目において同じ。)の目に定める規格に,合成樹脂,合成樹脂加工紙及び合成樹脂加工アルミニウム箔はくは,(3) 合成樹脂製容器包装,合成樹脂加工紙製容器包装及び合成樹脂加工アルミニウム箔はく製容器包装の1.に定める条件にそれぞれ適合するものであること。
2 次の試験法による試験に適合すること。
a 強度等試験法中の落下試験を行うとき,内容物又は水の漏れがないこと。
b 強度等試験法中のピンホール試験を行うとき,ピンホールを認めてはならないこと。
c 熱封かんにより密封するものにあつては,強度等試験法中の封かん試験を行うとき,空気漏れがないこと。
d 清涼飲料水を熱充てんするものにあつては,強度等試験法中の耐減圧試験を行うとき,空気漏れがないこと。
e 清涼飲料水を熱充てん以外の方法により充てんするものであつて熱封かん以外の方法により密封するものにあつては,強度等試験法中の漏水試験を行うとき,内容物の漏れがないこと。
3 氷菓の製造に使用する器具
(1) 氷菓の製造に使用する器具は,洗浄に容易な構造を有し,内面及び接触面は平滑で,さびを生じない原材料を使用するか,又はさびを生じないように加工されたものでなければならない。
(2) 氷菓の分注機械及び打栓機械は,洗浄及び殺菌が容易で,かつ,汚染を防止できるものでなければならない。
(3) 氷菓の保存又は運搬のための容器は,防塵じん及び防虫の装置を有し,その融解水が氷菓に直接接触しないような構造でなければならない。
4 食品の自動販売機(食品が部品に直接接触する構造を有するものに限る。)及びこれによつて食品を販売するために用いる容器は,次の(1)から(3)までに掲げる条件のすべてを満たすものでなければならない。
(1) 自動販売機本体
1.材質
食品に直接接触する部品の材質は,ステンレス製等の有毒又は有害な物質が溶出するおそれのないもので,かつ,耐酸性,耐熱性,耐水性及び不浸透性のものであること。ただし,食品をろ過するものにあつては,不浸透性の材質であることを要しない。
2.構造及び機能
a 食品に直接接触する部品の洗浄及び殺菌を行うことができるものであること。
b 食品又はこれに直接接触する部品に外部から容易に接触できないものであること。
c 食品を保存する部分にこれ以外の部分から発生する蒸気等の熱が影響を及ぼすことを防止するため,排気装置を有するか,又は食品を保存する部分とこれ以外の部分との間に隔壁を設けたものであること。
d 食品を保存し,又は調理する部分は,ねずみ,こん虫等の侵入及び塵挨じんあい等による汚染を防止できるものであること。
e 食品の取出口は,販売するときのほか,外部と遮断されるものであること。
f はし,コツプ等飲食の用に供される器具及び調味料を保管する部分は,塵挨じんあい等による汚染を防止できるものであること。ただし,塵挨じんあい等により汚染されないように容器包装又は包装に入れ,若しくは包まれたものを供する場合は,この限りでない。
g 食品を収納する扉は,施錠できるものであること。
h 調理を行うものにあつては,調理が販売の都度自動的に行われるものであること。ただし,コーヒーを抽出するものであつて,次のイからニまでに掲げる条件のすべてを満たすものにあつては,販売の都度コーヒーを抽出することを要しない。
イ コーヒーを抽出する時の熱湯の温度が85℃未満の場合は自動的に販売が中止されるものであること。
ロ 抽出されたコーヒーを63℃以上に保つのに十分な能力の加熱装置を有し,かつ,その温度を保てなくなつた場合は,自動的に販売が中止され,再度自動的に販売されないものであること。
ハ 抽出されたコーヒーが22時間を超えて保存された場合は,自動的に販売が中止されるものであること。
ニ 抽出されたコーヒーを保存する部分(当該コーヒーに直接接触する部分に限る。)を63℃以上に保ちながら,1日1回2時間以上乾燥する装置を有するものであること。
i 熱湯を用いて調理を行うものにあつては,販売の都度供給される熱湯の温度が85℃以上であり,かつ,熱湯の温度が85℃未満の場合は自動的に販売が中止されるものであること。ただし,粉末清涼飲料を調理するもの又は次のイ及びロに掲げる条件のすべてを満たす調理に用いられる原料があらかじめ容器に充てんされ,当該容器内において調理を行うものであつて,販売の都度供給される熱湯の温度が75℃以上であり,かつ,熱湯の温度が75℃未満の場合は自動的に販売が中止されるものにあつては,この限りでない。
イ 粉末のもの又は細切されたものであつて,乾燥されたものであること。
ロ 細菌数(生菌数)が検体1gにつき3,000以下であり,大腸菌群が陰性であること。この場合の細菌数(生菌数)の測定法及び大腸菌群試験法は,第1 食品の部D 各条の項の○ 粉末清涼飲料の1 粉末清涼飲料の成分規格の(3)の1.,2.及び3.に準じて行う。
j 食品(炭酸を含有する清涼飲料水及び容器包装詰加圧加熱殺菌食品を除く。)を冷凍,冷蔵又は温蔵するものにあつては,食品の保存温度を調節できる自動温度調節装置及び食品の保存温度を示す温度計を有するものであること。ただし,清涼飲料水を販売するコップ販売式自動販売機であつて,パイプその他の部分の構造がすべて閉鎖式であり,かつ,密栓若しくは密封又はこれらと同等の処置が施された運搬器具を使用するものにあつては,この限りでない。
k 食品(炭酸を含有する清涼飲料水及び容器包装詰加圧加熱殺菌食品を除く。)を冷凍,冷蔵又は温蔵するものにあつては,食品を次の温度に保つのに十分な能力の冷却装置又は加熱装置を有し,かつ,その温度を保てなくなつた場合は,自動的に販売が中止され,再度自動的に販売されないものであること。ただし,清涼飲料水を販売するコップ販売式自動販売機であつて,パイプその他の部分の構造がすべて閉鎖式であり,かつ,密栓若しくは密封又はこれらと同等の処置が施された運搬器具を使用するものにあつては,この限りでない。
イ 冷凍するものにあつては,−15℃以下
ロ 冷蔵するものにあつては,10℃以下
ハ 温蔵するものにあつては,63℃以上
l 水道法による水道により供給される水を使用するものにあつては,水を給水栓から自動的に注入でき,かつ,逆流しないものであること。ただし,カートリッジ式給水タンク(自動販売機に水を供給するために装置される容器であつて,取り外して用いるものをいう。以下この目において同じ。)により水を供給するものにあつては,この限りでない。
m 水道法による水道により供給される水以外の水又はカートリッジ式給水タンクの水を使用するものにあつては,当該水を使用する前に5分間以上煮沸できる加熱殺菌装置又はこれと同等以上の効力を有する殺菌装置若しくは細菌ろ過装置を有するものであること。
(2) カートリッジ式給水タンク
1.材質
水に直接接触する部分の材質は,ステンレス製等の有毒又は有害な物質が溶出するおそれのないもので,かつ,耐酸性,耐水性及び不浸透性のものであること。
2.構造
給水口等の開口部は,ねじ込み式等の栓又はふたにより密閉でき,かつ,運搬時に露出しないものであること。
(3) 容器
1.食品(清涼飲料水を除く。)を販売するために用いる容器は,洗浄され,かつ,殺菌されたものであること。ただし,未使用の紙製,合成樹脂製,合成樹脂加工紙製若しくはアルミニウム箔はく製容器又は組合せ容器(紙,合成樹脂,合成樹脂加工紙又は金属のうち二以上を用いた容器をいう。以下この目において同じ。)であつて,かつ,殺菌され,又は殺菌効果を有する製造方法で製造され,使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものにあつては,この限りでない。
2.清涼飲料水を販売する際に用いる容器は,未使用の紙製,合成樹脂製,合成樹脂加工紙若しくはアルミニウム箔はく製容器又は組合せ容器であつて,かつ,殺菌され,又は殺菌効果を有する製造方法で製造され,使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものでなければならない。
5 コップ販売式自動販売機又は清涼飲料水全自動調理機に収められる清涼飲料水の原液の運搬器具又は容器包装
(1) 金属製のものにあつては,ねじ込み式等の栓又はふたを有し,洗浄に容易な構造であり,内面が平滑で,さびを生じない原材料を使用するか,又はさびを生じないように加工されたものでなければならない。
(2) 合成樹脂製のものにあつては,第3 器具及び容器包装の部E 器具又は容器包装の用途別規格の項の2 清涼飲料水(原料用果汁を除く。以下この目において同じ。)の容器包装の目の(3) 合成樹脂製容器包装,合成樹脂加工紙製容器包装及び合成樹脂加工アルミニウム箔はく製容器包装の規定を準用する。