「食品、添加物等の規格基準」(昭和三十四年十二月二十八日)(厚生省告示第三百七十号) P9〜P10
○ 清涼飲料水
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
目次
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
○ 清涼飲料水
1 清涼飲料水の成分規格
(1) 混濁(原材料として用いられる植物若しくは動物の組織成分,着香若しくは着色の目的に使用される添加物又は一般に人の健康を損なうおそれがないと認められる死滅した微生物(製品の原材料に混入することがやむを得ないものに限る。)に起因する混濁を除く。)したものであつてはならない。
(2) 沈殿物(原材料として用いられる植物若しくは動物の組織成分,着香若しくは着色の目的に使用される添加物又は一般に人の健康を損なうおそれがないと認められる死滅した微生物(製品の原材料に混入することがやむを得ないものに限る。)に起因する沈殿物を除く。)又は固形の異物(原材料として用いられる植物たる固形物でその容量百分率が30%以下であるものを除く。)のあるものであつてはならない。
(3) ヒ素,鉛及びカドミウムを検出するものであつてはならない。また,スズの含有量は,150.0ppmを超えるものであつてはならない。
この場合のヒ素,鉛,カドミウム及びスズの試験法は,次のとおりとする。 〜略〜
(4) 大腸菌群が陰性でなければならない。この場合の大腸菌群試験法は次のとおりとする。1.検体の採取及び試料の調製
検体の容器包装のまま採取し,できるだけ早くその外部を流水で洗い,乾燥した後試験部位を中心にアルコール綿(70%エタノールに浸した綿をいう。以下同じ。)でふき,滅菌した器具を用いて開封し,開栓し,又は開缶し,その液の10ml及び1ml並びに10倍液1mlを採り,これを試料とする。炭酸を含有する清涼飲料水にあつては,他の滅菌した容器に移し,かき混ぜて二酸化炭素を発散させた後試料を作成する。
2.大腸菌群試験法
第1 食品の部のC 食品一般の保存基準の項の1の(2) 大腸菌群試験法によつて行う。
(5) ミネラルウォーター類(水のみを原料とする清涼飲料水をいう。以下同じ。)のうち,容器包装内の二酸化炭素圧力が20°で98kPa未満であつて,かつ,殺菌又は除菌を行わないものにあつては,腸球菌及び緑膿菌が陰性でなければならない。この場合の腸球菌及び緑膿菌の試験法は次のとおりとする。
1.検体の採取及び試料の調製検体を容器包装のまま採取し,試験部位を中心にアルコール綿でふき,滅菌した器具を用いて開封し,開栓し,又は開缶し,その液の10ml及び1mlを採り,これを試料とする。
2.腸球菌試験法
a 推定試験 10ml及び1mlの試料を,それぞれAC培地に接種する。10mlの試料を接種するときは倍濃度のAC培地10mlを使用する。これを35.0±1.0°で48±3時間培養した後,混濁の有無を観察する。混濁を生じたものを推定試験陽性とする。
b 確定試験 推定試験で陽性を示した試験管の1白金耳を新しいAC培地に移植し,45.0±1.0°で48±3時間培養した後,混濁の有無を観察する。混濁を生じたものを確定試験陽性とする。
c 完全試験 確定試験で陽性を示した試験管の1白金耳をブドウ糖寒天培地に画線し,独立した集落を発生させる。35.0±1.0°で24±2時間培養した後,平板上に発生した集落を釣菌し,ブドウ糖ブイヨンに移植し,35.0±1.0°で24±2時間培養する。これをブドウ糖寒天斜面及び6.5%塩化ナトリウム加ブドウ糖ブイヨンに移植し,35.0±1.0°で培養する。ブドウ糖寒天斜面において24±2時間培養した後,発生した集落の菌についてカタラーゼ試験を行う。カタラーゼ試験において陰性を示したものについてグラム染色を行い,鏡検する。また,6.5%塩化ナトリウム加ブドウ糖ブイヨンにおいて48±3時間培養した後,混濁の有無を観察する。ブドウ糖寒天斜面の集落の菌がグラム陽性の球菌であり,6.5%塩化ナトリウム加ブドウ糖ブイヨンで混濁を生じたものを完全試験陽性(腸球菌陽性)とする。
@ AC培地 ペプトン20g,酵母エキス5g,ブドウ糖5g,クエン酸ナトリウム10g,塩化ナトリウム5g,リン酸二カリウム4g,リン酸一カリウム1.5g及びアジ化ナトリウム0.25gを精製水1,000mlに溶解し,滅菌後にpH7.0となるように補正し,試験管に分注した後,121°で15分間滅菌する。A ブドウ糖寒天培地 ペプトン10g,酵母エキス3g,ブドウ糖10g,塩化ナトリウム5g及び寒天15gを精製水1,000mlに加熱溶解し,滅菌後にpH7.4となるように補正し,121°で15分間滅菌する。B ブドウ糖ブイヨン ペプトン10g,肉エキス5g,ブドウ糖10g及び塩化ナトリウム5gを精製水1,000mlに溶解し,滅菌後にpH7.0となるように補正し,試験管に分注した後,121°で15分間滅菌する。C ブドウ糖寒天斜面 ペプトン10g,酵母エキス3g,ブドウ糖5g,塩化ナトリウム5g及び寒天13gを精製水1,000mlに加熱溶解し,滅菌後にpH7.4となるように補正し,試験管に分注した後,121°で15分間滅菌する。D 6.5%塩化ナトリウム加ブドウ糖ブイヨン ペプトン10g,肉エキス5g,ブドウ糖10g及び塩化ナトリウム65gを精製水1,000mlに溶解し,滅菌後にpH7.0となるように補正し,試験管に分注した後,121°で15分間滅菌する。
3.緑膿菌試験法
a 推定試験 10ml及び1mlの試料を,それぞれアスパラギンブイヨンに接種する。10mlの試料を接種するときは,倍濃度のアスパラギンブイヨン10mlを使用する。これを35.0±1.0°で24±2時間培養した後,混濁の有無及び長波長(365nm)の紫外線灯下での蛍光の有無を観察する。混濁又は蛍光が認められないときは,更に培養を続けて48±3時間まで観察する。混濁を生じ,かつ,蛍光を認めたものを推定試験陽性とする。
b 確定試験 推定試験で陽性を示した試験管の1白金耳をセトリミド寒天培地に画線し,独立した集落を発生させる。35.0±1.0°で48±3時間培養した後,類緑色又は赤褐色の集落を釣菌し,普通寒天斜面に移植する。41.5±0.5°で24±2時間培養した後,菌の発育の有無を観察し,発育を認めたものについてオキシダーゼ試験を行う。オキシダーゼ試験において陽性を示したものについてグラム染色を行い,鏡検する。グラム陰性無芽胞の桿かん菌であれば,確定試験陽性(緑膿のう菌陽性)とする。@ アスパラギンブイヨン DL―アスパラギン3g,リン酸二カリウム1g及び硫酸マグネシウム0.5gを精製水1,000mlに溶解し,滅菌後にpH6.9〜7.2となるように補正し,試験管に分注した後,121°で15分間滅菌する。A セトリミド寒天培地 ペプトン20g,塩化マグネシウム1.4g,硫酸カリウム10g,セトリミド0.3g及び寒天15gを精製水1,000mlに加熱溶解し,滅菌後にpH7.0〜7.4となるように補正し,121°で15分間滅菌する。
(6) りんごの搾汁及び搾汁された果汁のみを原料とするものにあつては,パツリンの含有量が0.050ppmを超えるものであつてはならない。この場合の試験法は,次に掲げるパツリン試験法又はこれと同等以上の性能を有すると認められる試験法とする。
1.装置紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ及び液体クロマトグラフ・質量分析計又はガスクロマトグラフ・質量分析計を用いる。
2.試薬・試液 〜略〜3.標準品 〜略〜
4.試験溶液の調製
a 抽出法
検体5.0g(希釈して飲用に供する清涼飲料水にあつてはその飲用に際して希釈する倍数の水で,濃縮した原料用果汁にあつてはその濃縮した倍数の水で希釈したもの)を正確に採り,30〜50mlの共栓付き試験管に入れ,酢酸エチル10mlを加える。1分間激しく振り混ぜた後,静置し,酢酸エチル層を他の30〜50mlの共栓付き試験管に移す。水層に酢酸エチル10mlを加え,上記と同様に操作して,酢酸エチル層を上記の共栓付き試験管中に合わせる操作を2回繰り返す。 b 精製法 〜略〜
析計用試験溶液にあつては,上記の残留物にトリメチルシリル化剤0.5mlを加え,栓をして振り混ぜた後,室温で60分間放置し,これを試験溶液とする。5.操作法 〜略〜
1.製造に使用する果実,野菜等の原料は,鮮度その他の品質が良好なものであり,かつ,必要に応じて十分洗浄したものでなければならない。
2.原水は,飲用適の水(水道法(昭和32年法律第177号)第3条第2項に規定する水道事業の用に供する水道,同条第6項に規定する専用水道若しくは同条第7項に規定する簡易専用水道により供給される水又は次の表の第1欄に掲げる事項につき同表の第3欄に掲げる方法によつて行う検査において,同表の第2欄に掲げる基準に適合する水をいう。以下同じ。)でなければならない。
第1欄
|
第2欄
|
第3欄
|
一般細菌
|
1mlの検水で形成される集落数が100以下であること。
|
標準寒天培地法
|
大腸菌群
|
検出されないこと。
|
乳糖ブイヨン―ブリリアントグリーン乳糖胆汁ブイヨン培地法
|
カドミウム
|
0.01mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法又は誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下「ICP法」という。)
|
水銀
|
0.0005mg/l以下であること。
|
還元気化―原子吸光光度法
|
鉛
|
0.1mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法又はICP法
|
ヒ素
|
0.05mg/l以下であること。
|
水素化物発生―原子吸光光度法又はフレームレス―原子吸光光度法
|
六価クロム
|
0.05mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法又はICP法
|
シアン
|
0.01mg/l以下であること。
|
吸光光度法
|
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
|
10mg/l以下であること。
|
イオンクロマトグラフ法又は吸光光度法
|
フッ素
|
0.8mg/l以下であること。
|
イオンクロマトグラフ法又は吸光光度法
|
有機リン
|
0.1mg/l以下であること。
|
吸光光度法
|
亜鉛
|
1.0mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法又はICP法
|
鉄
|
0.3mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法,ICP法又は吸光光度法
|
銅
|
1.0mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法又はICP法
|
マンガン
|
0.3mg/l以下であること。
|
フレームレス―原子吸光光度法又はICP法
|
塩素イオン
|
200mg/l以下であること。
|
イオンクロマトグラフ法又は滴定法
|
カルシウム,マグネシウム等(硬度)
|
300mg/l以下であること。
|
滴定法
|
蒸発残留物
|
500mg/l以下であること。
|
重量法
|
陰イオン界面活性剤
|
0.5mg/l以下であること。
|
吸光光度法
|
フェノール類
|
フェノールとして0.005mg/l以下であること。
|
吸光光度法
|
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)
|
10mg/l以下であること。
|
滴定法
|
pH値
|
5.8以上8.6以下であること。
|
ガラス電極法又は比色法
|
味
|
異常でないこと。
|
官能法
|
臭気
|
異常でないこと。
|
官能法
|
色度
|
5度以下であること。
|
比色法又は透過光測定法
|
濁度
|
2度以下であること。
|
比濁法,透過光測定法又は積分球式光電光度法
|
3.製造に使用する器具及び容器包装は,適当な方法で洗浄し,かつ,殺菌したものでなければならない。ただし,未使用の容器包装であつて,かつ,殺菌され,又は殺菌効果を有する製造方法で製造され,使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものにあつては,この限りでない。
4.清涼飲料水は,容器包装に充てんし,密栓若しくは密封した後殺菌するか,又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器包装に充てんした後,密栓若しくは密封しなければならない。この場合の殺菌又は除菌は,次の方法で行わなければならない。ただし,容器包装内の二酸化炭素圧力が20°で98kPa以上であつて,かつ,植物又は動物の組織成分を含有しないものにあつては,殺菌及び除菌を要しない。
a pH4.0未満のものの殺菌にあつては,その中心部の温度を65°で10分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。b pH4.0以上のもの(pH4.6以上で,かつ,水分活性が0.94を超えるものを除く。)の殺菌にあつては,その中心部の温度を85°で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。c pH4.6以上で,かつ,水分活性が0.94を超えるものの殺菌にあつては,原材料等に由来して当該食品中に存在し,かつ,発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法又はbに定める方法で行うこと。d 除菌にあつては,原材料等に由来して当該食品中に存在し,かつ,発育し得る微生物を除去するのに十分な効力を有する方法で行うこと。
5.4.の殺菌に係る殺菌温度及び殺菌時間の記録又は4.の除菌に係る記録は6月間保存しなければならない。
6.紙栓により打栓する場合は,打栓機械により行わなければならない。
1.原水は,水道法第3条第2項に規定する水道事業の用に供する水道,同条第6項に規定する専用水道若しくは同条第7項に規定する簡易専用水道により供給される水又は次の表の第1欄に掲げる事項につき同表の第3欄に掲げる方法によつて行う検査において,同表の第2欄に掲げる基準に適合する水でなければならない。
第1欄
|
第2欄
|
第3欄
|
一般細菌
|
1mlの検水で形成される集落数が100以下であること。
|
標準寒天培地法
|
大腸菌群
|
検出されないこと。
|
乳糖ブイヨン−ブリリアントグリーン乳糖胆汗ブイヨン培地法
|
カドミウム
|
0.01mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
水銀
|
0.0005mg/l以下であること。
|
還元気化−原子吸光光度法
|
セレン
|
0.01mg/l以下であること。
|
水素化物発生−原子吸光光度法又はフレームレス−原子吸光光度法
|
鉛
|
0.05mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
バリウム
|
1mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
ヒ素
|
0.05mg/l以下であること。
|
水素化物発生−原子吸光光度法又はフレームレス−原子吸光光度法
|
六価クロム
|
0.05mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
シアン
|
0.01mg/l以下であること。
|
吸光光度法
|
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
|
10mg/l以下であること。
|
イオンクロマトグラフ法又は吸光光度法
|
フッ素
|
2mg/l以下であること。
|
イオンクロマトグラフ法又は吸光光度法
|
ホウ素
|
ホウ酸として30mg/l以下であること。
|
ICP法又は吸光光度法
|
亜鉛
|
5mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
銅
|
1mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
マンガン
|
2mg/l以下であること。
|
フレームレス−原子吸光光度法又はICP法
|
有機物等
|
過マンガン酸カリウム消費量として12mg/l以下であること。
|
滴定法
|
硫化物
|
硫化水素として0.05mg/l以下であること。
|
吸光光度法
|
2.製造に使用する器具及び容器包装は,適当な方法で洗浄し,かつ,殺菌したものでなければならない。ただし,未使用の容器包装であつて,かつ,殺菌され,又は殺菌効果を有する製造方法で製造され,使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものにあつては,この限りでない。
3.ミネラルウォーター類は,容器包装に充てんし,密栓若しくは密封した後殺菌するか,又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器包装に充てんした後,密栓若しくは密封しなければならない。この場合の殺菌又は除菌は,その中心部の温度を85°で30分間加熱する方法その他の原水等に由来して当該食品中に存在し,かつ,発育し得る微生物を死滅させ,又は除去するのに十分な効力を有する方法で行わなければならない。ただし,容器包装内の二酸化炭素圧力が20°で98kPa以上のもの又は次の基準に適合する方法で製造するものにあつては,殺菌又は除菌を要しない。
a 原水は,鉱水のみとし,泉源から直接採水したものを自動的に容器包装に充てんした後,密栓又は密封しなければならない。
b 原水は,病原微生物に汚染されたもの又は当該原水が病原微生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものであつてはならない。
c 原水は,芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌,腸球菌及び緑膿のう菌が陰性であり,かつ,1ml当たりの細菌数が5以下でなければならない。この場合の,芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌,腸球菌及び緑膿のう菌の試験法並びに細菌数の測定法は次のとおりとする。
@ 検体の採取及び試料の調製
滅菌採取器具を用いてそれぞれの試験及び測定ごとに原水を無菌的に滅菌容器に採取し,これを検体とする。メンブランフィルターろ過装置のファンネル内に検体(芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌の試験にあつては,70°で20分間加熱処理したもの)を250ml(細菌数の測定にあつては ,100ml)注いで吸引ろ過した後,滅菌精製水20〜30mlで2〜3回ファンネル内を洗浄し,吸引ろ過する。ろ過終了後,滅菌ピンセットを用いてフィルターホルダーからメンブランフィルターをはがし,これを試料とする。
メンブランフィルターろ過装置 ファンネル及びフィルターホルダーは121°で15分間滅菌したものを使用し,メンブランフィルターは孔径が0.45?m(芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌の試験にあつては,0.22?m)であつて,かつ,あらかじめ滅菌し,滅菌精製水で予洗したものを使用する。
A 芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌試験法
試料を亜硫酸―鉄加寒天培地上に空気が残らないように密着させ,35.0±1.0°で48±3時間嫌気的に培養する。黒色の集落を認めたものを芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌陽性とする。亜硫酸―鉄加寒天培地 普通寒天培地18ml当たり,1mlの亜硫酸ナトリウム液(10gの亜硫酸ナトリウムを精製水100mlに溶解したもの)及び5滴の硫酸第一鉄液(8gの硫酸第一鉄を精製水100mlに溶解したもの)を平板作成直前に普通寒天培地に加える。
B 腸球菌試験法
イ 推定試験 試料をKFレンサ球菌寒天培地上に空気が残らないように密着させ,35.0±1.0°で48±3時間培養する。淡紅〜赤色の集落を認めたものを推定試験陽性とする。
ロ 確定試験 淡紅〜赤色の集落を釣菌し,胆汁―エスクリン―アジド寒天培地に画線し,独立した集落を発生させる。45.0±1.0°で48±3時間培養した後,黄褐〜黒色の集落を釣菌し,ブドウ糖寒天斜面に移植する。35.0±1.0°で24±2時間培養した後,発生した集落についてカタラーゼ試験を行う。カタラーゼ試験において陰性を示したものについてグラム染色を行い,鏡検する。グラム陽性の球菌であれば,確定試験陽性(腸球菌陽性)とする。
KFレンサ球菌寒天培地 ペプトン10g,酵母エキス10g,塩化ナトリウム5g,グリセロリン酸ナトリウム10g,マルトース20g,乳糖1g,アジ化ナトリウム0.4g,ブロモクレゾールパープル溶液(ブロモクレゾールパープル15gをエタノール1,000mlに溶解したもの)1ml及び寒天15gを精製水1,000mlに加熱溶解し,5分間煮沸した後,50〜60°まで冷却する。これにあらかじめ調製しておいたTTC溶液(2,3,5―トリフェニルテトラゾリウムクロリド1gを精製水100mlに溶解し,孔径0.45?mのメンブランフィルターでろ過したもの)を10ml加えた後,pH7.2に補正する。
胆汁―エスクリン―アジド寒天培地 ペプトン20g,酵母エキス5g,牛胆汁粉末10g,塩化ナトリウム5g,エスクリン1g,クエン酸鉄アンモニウム0.5g,アジ化ナトリウム0.15g及び寒天15gを精製水1,000mlに加熱溶解し,滅菌後にpH7.0〜7.2となるように補正し,121°で15分間滅菌する。
C 緑膿のう菌試験法
イ 推定試験 試料をmPA―B寒天培地上に空気が残らないように密着させ,41.5±0.5°で48±3時間培養する。暗褐色又は暗緑色の集落を認めたものを推定試験陽性とする。
ロ 確定試験 暗褐色又は暗緑色の集落を釣菌し,セトリミド寒天培地上に画線し,独立した集落を発生させる。35.0±1.0°で48±3時間培養した後,類緑色又は赤褐色の集落を釣菌し,普通寒天斜面に移植する。41.5±0.5°で24±2時間培養した後,菌の発育の有無を観察し,発育を認めたものについてオキシダーゼ試験を行う。オキシダーゼ試験において陽性を示したものについてグラム染色を行い,鏡検する。グラム陰性無芽胞の桿かん菌であれば,確定試験陽性(緑膿のう菌陽性)とする。
mPA―B寒天培地 L―リジン5g,塩化ナトリウム5g,酵母エキス2g,チオ硫酸ナトリウム5g,硫酸マグネシウム1.5g,ショ糖1.25g,キシロース1.25g,乳糖1.25g,寒天15g,フェノールレッド0.08g及びクエン酸鉄アンモニウム0.8gを精製水1,000mlに加熱溶解し,滅菌後にpH7.0〜7.2となるように補正し,115°で10分間滅菌した後,50〜60°まで冷却する。これにスルファピリジン176.0mg,硫酸カナマイシン8.5mg,ナリジクス酸37.0mg及びアクチジオン150.0mgを加える。
D 細菌数(生菌数)の測定法
試料を標準寒天培地上に空気が残らないように密着させ,35.0±1.0°で24±2時間培養し,発生した集落の数を100で除して1ml当たりの細菌数とする。
d 原水には,沈殿,ろ過,曝ばつ気又は二酸化炭素の注入若しくは脱気以外の操作を施してはならない。
e 採水から容器包装詰めまでを行う施設及び設備は,原水を汚染するおそれのないよう清潔かつ衛生的に保持されたものでなければならない。
f 採水から容器包装詰めまでの作業は,清潔かつ衛生的に行わなければならない。
g 容器包装詰め直後の製品は1ml当たりの細菌数が20以下でなければならない。この場合の細菌数(生菌数)の測定法は次のとおりとする。
@ 検体の採取及び試料の調製検体を容器包装のまま採取し,試験部位を中心にアルコール綿でふき,滅菌した器具を用いて開封し,開栓し,又は開缶し,その液の100mlをメンブランフィルターろ過装置のファンネル内に注いで吸引ろ過した後,滅菌精製水20〜30mlで2〜3回ファンネル内を洗浄し,吸引ろ過する。ろ過終了後,滅菌ピンセットを用いてフィルターホルダーからメンブランフィルターをはがし,これを試料とする。
A 細菌数(生菌数)の測定法cのD 細菌数(生菌数)の測定法によつて行う。
4.3.の殺菌に係る殺菌温度及び殺菌時間の記録若しくは除菌に係る記録又は3.のc及びgに係る記録は,6月間保存しなければならない。
1.原料用果実は,傷果,腐敗果,病害果等でない健全なものを用いなければならない。
2.原料用果実は,水,洗浄剤等に浸して果皮の付着物を膨潤させ,ブラッシングその他の適当な方法で洗浄し,十分な水洗した後,次亜塩素酸ナトリウム液その他の適当な殺菌剤を用いて殺菌し,十分に水洗しなければならない。
3.殺菌した原料用果実は,汚染しないように衛生的に取り扱わなければならない。
4.搾汁及び搾汁された果汁の加工は,衛生的な行わなければならない。
5.製造に使用する器具及び容器包装は,適当な方法で洗浄し,かつ,殺菌したものでなければならない。ただし,未使用の容器包装であつて,かつ,殺菌され,又は殺菌効果を有する製造方法で製造され,使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものにあつては,この限りでない。
6.搾汁された果汁(密閉型全自動搾汁機により搾汁されたものを除く。)の殺菌又は除菌は,次の方法で行わなければならない。
a pH4.0未満のものの殺菌にあつては,その中心部の温度を65°で10分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。
b pH4.0以上のものの殺菌にあつては,その中心部の温度を85°で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。
c 除菌にあつては,原材料等に由来して当該食品中に存在し,かつ,発育し得る微生物を除去するのに十分な効力を有する方法で行うこと。
7.6.の殺菌に係る殺菌温度及び殺菌時間の記録又は6.の除菌に係る記録は6月間保存しなければならない。
8.搾汁された果汁は,自動的に容器包装に充てんし,密封しなければならない。
9.化学的合成品たる添加物(酸化防止剤を除く。)を使用してはならない。
(4) 原料用果汁
1.製造に使用する果実は,鮮度その他の品質が良好なものであり,かつ,必要に応じて十分洗浄したものでなければならない。
2.搾汁及び搾汁された果汁の加工は,衛生的に行わなければならない。
(1) 紙栓をつけたガラス瓶に収められたものは,10°以下で保存しなければならない。
(2) ミネラルウォーター類,冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水のうち,pH4.6以上で,かつ,水分活性が0.94を超えるものであつて,原材料等に由来して当該食品中に存在し,かつ,発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法で殺菌していないものにあつては,10°以下で保存しなければならない。
(3) 冷凍果実飲料及び冷凍した原料用果汁は,−15°以下で保存しなければならない。
(4) 原料用果汁は,清潔で衛生的な容器包装に収めて保存しなければならない。
4 コップ販売式自動販売機及び運搬器具又は容器包装に充てんされた原液を用いて自動的に清涼飲料水の調理を行う器具(以下「清涼飲料水全自動調理機」という。)により調理される清涼飲料水の調理基準
(1) 調理に用いる清涼飲料水の原液は1 清涼飲料水の成分規格に定める規格に,調理に用いる粉末清涼飲料又は砂糖は第1 食品の部D 各条の項○ 粉末清涼飲料の1 粉末清涼飲料の成分規格に定める規格に,調理に用いる氷雪は同項○ 氷雪の1 氷雪の成分規格に定める規格に,それぞれ適合するものでなければならない。また,調理に用いる水は,飲用適の水でなければならない。
(2) 調理に用いる清涼飲料水の原液は,充てん直前に適当な方法で洗浄され,かつ,殺菌された運搬器具又は容器包装に自動的に充てんした後,密栓若しくは密封又はこれらと同等の処置を施したものを用いなければならない。ただし,殺菌され,又は殺菌効果を有する製造方法で製造され,使用されるまで汚染されるおそれのないように取り扱われた未使用の運搬器具又は容器包装に自動的に充てんした後,密栓若しくは密封又はこれらと同等の処置を施したものにあつては,この限りでない。
(3) 清涼飲料水の原液その他の原料の溶解,抽出,希釈及び混合は,コップ販売式自動販売機又は清涼飲料水全自動調理機の中で行わなければならない。ただし,機外で混合する構造の清涼飲料水全自動調理機における混合にあつてはこの限りでない。
(4) 調理に用いる清涼飲料水の原液,水及びその他の原料を溶解し,抽出し,希釈し又は混合した液(以下「機内の液体」という。)は,コップ販売式自動販売機又は清涼飲料水全自動調理機の中で10°以下又は63°以上に保たなければならない。ただし,密栓若しくは密封又はこれらと同等の処置を施した運搬器具又は容器包装に収められたものにあつてはこの限りでない。