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「食品、添加物等の規格基準」(昭和三十四年十二月二十八日)(厚生省告示第三百七十号) P09

A 食品一般の成分規格(抄)

1 食品は,抗生物質又は化学的合成品(化学的手段により元素又は化合物に分解反応以外の化学的反応を起こさせて得られた物質をいう。以下同じ。)たる抗菌性物質を含有してはならない。ただし,次のいずれかに該当する場合にあつては,この限りでない。
(1) 当該物質が,食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第10条の規定により人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が定める添加物と同一である場合
(2) 当該物質について,5,6,7,8又は9において成分規格が定められている場合
(3) 当該食品が,5,6,7,8又は9において定める成分規格に適合する食品を原材料として製造され,又は加工されたものである場合(5,6,7,8又は9において成分規格が定められていない抗生物質又は化学的合成品たる抗菌性物質を含有する場合を除く。)
2 食品が組換えDNA技術(酵素等を用いた切断及び再結合の操作によつて,DNAをつなぎ合わせた組換えDNA分子を作製し,それを生細胞に移入し,かつ,増殖させる技術をいう。以下同じ。)によつて得られた生物の全部若しくは一部であり,又は当該生物の全部若しくは一部を含む場合は,当該生物は,厚生労働大臣が定める安全性審査の手続を経た旨の公表がなされたものでなければならない。
3 食品が組換えDNA技術によつて得られた微生物を利用して製造された物であり,又は当該物を含む場合は,当該物は,厚生労働大臣が定める安全性審査の手続を経た旨の公表がなされたものでなければならない。
4 食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)第21条第1項第1号ミに規定する特定保健用食品は,厚生労働大臣が定める安全性及び効果の審査の手続を経たものでなければならない。
5 (1)の表に掲げる農薬等(農薬取締法(昭和23年法律第82号)第1条の2第1項に規定する農薬,飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号)第2条第3項の規定に基づく農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料(同条第2項に規定する飼料をいう。)に添加,混和,浸潤その他の方法によつて用いられる物又は薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第1項に規定する医薬品であつて動物のために使用されることが目的とされているものをいう。以下同じ。)の成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含む。以下同じ。)は,食品に含有されるものであつてはならない。この場合において,(2)の表の食品の欄に掲げる食品については,同表の検体の欄に掲げる部位を検体として試験しなければならず,また,食品は(3)から(17)までに規定する試験法によつて試験した場合に,その農薬等の成分である物質が検出されるものであつてはならない。
(1) 食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質

1 2,4,5―T
2 アゾシクロチン及びシヘキサチン
3 アミトロール
4 カプタホール
5 カルバドックス
6 クマホス
7 クロラムフェニコール
8 クロルプロマジン
9 ジエチルスチルベストロール
10 ジメトリダゾール
11 ダミノジッド
12 ニトロフラゾン
13 ニトロフラントイン
14 フラゾリドン
15 フラルタドン
16 プロファム
17 マラカイトグリーン
18 メトロニダゾール
19 ロニダゾール
(2) 検体
食品
検体
大麦及びそば
脱穀した種子
小麦及びライ麦
玄麦
玄米
とうもろこし
外皮,ひげ及びしんを除いた種子
その他の穀類
脱穀した種子
えんどう,小豆類,そら豆及び大豆
らつかせい
殻を除去したもの
その他の豆類
あんず,うめ,おうとう,すもも及びネクタリン
果梗こう及び種子を除去したもの
以下 略
(3) 2,4,5―T試験法  〜 略 〜
(4) アゾシクロチン及びシヘキサチン試験法 〜 略 〜
(5)〜(17)   略
6 5の規定にかかわらず,(1)の表の第1欄に掲げる農薬等の成分である物質は,同表の第2欄に掲げる食品の区分に応じ,それぞれ同表の第3欄に定める量を超えて当該食品に含有されるものであつてはならない。この場合において,(2)の表の食品の欄に掲げる食品については,同表の検体の欄に掲げる部位を検体として試験しなければならず,また,(1)の表の第1欄に掲げる農薬等の成分である物質について同表の第3欄に「不検出」と定めている同表の第2欄に掲げる食品については,(3)から(10)までに規定する試験法によつて試験した場合に,その農薬等の成分である物質が検出されるものであつてはならない。
(1) 食品に残留する農薬等の成分である物質の量の限度
第1欄
第2欄
第3欄
BHC(?―BHC,?―BHC,?―BHC及び?―BHCの総和をいう。)
米(玄米をいう。以下同じ。)
0.2ppm
小麦
0.2ppm
 
とうもろこし
0.2ppm
各種農薬についての基準 以下略
備考
1 「その他の穀類」とは,穀類のうち,米,小麦,大麦,ライ麦,とうもろこし及びそば以外のものをいう。
2 「その他の豆類」とは,豆類のうち,大豆,小豆類,えんどう,そら豆,らつかせい及びスパイス以外のものをいう。
3 「その他のいも類」とは,いも類のうち,ばれいしよ,さといも類,かんしよ,やまいも及びこんにやくいも以外のものをいう。
4 「その他のあぶらな科野菜」とは,あぶらな科野菜のうち,だいこん類の根,だいこん類の葉,かぶ類の根,かぶ類の葉,西洋わさび,クレソン,はくさい,キャベツ,芽キャベツ,ケール,こまつな,きような,チンゲンサイ,カリフラワー,ブロッコリー及びハーブ以外のものをいう。
5 「その他のきく科野菜」とは,きく科野菜のうち,ごぼう,サルシフィー,アーティチョーク,チコリ,エンダイブ,しゆんぎく,レタス及びハーブ以外のものをいう。
6 「その他のゆり科野菜」とは,ゆり科野菜のうち,たまねぎ,ねぎ,にんにく,にら,アスパラガス,わけぎ及びハーブ以外のものをいう。
7 「その他のせり科野菜」とは,せり科野菜のうち,にんじん,パースニップ,パセリ,セロリ,みつば,スパイス及びハーブ以外のものをいう。
8 「その他のなす科野菜」とは,なす科野菜のうち,トマト,ピーマン及びなす以外のものをいう。
9 「その他のうり科野菜」とは,うり科野菜のうち,きゆうり,かぼちや,しろうり,すいか,メロン類果実及びまくわうり以外のものをいう。
10 「その他のきのこ類」とは,きのこ類のうち,マッシュルーム及びしいたけ以外のものをいう。
11 「その他の野菜」とは,野菜のうち,いも類,てんさい,さとうきび,あぶらな科野菜,きく科野菜,ゆり科野菜,せり科野菜,なす科野菜,うり科野菜,ほうれんそう,たけのこ,オクラ,しようが,未成熟えんどう,未成熟いんげん,えだまめ,きのこ類,スパイス及びハーブ以外のものをいう。
12 「その他のかんきつ類果実」とは,かんきつ類果実のうち,みかん,なつみかん,なつみかんの外果皮,なつみかんの果実全体,レモン,オレンジ,グレープフルーツ,ライム及びスパイス以外のものをいう。
13 「その他のベリー類果実」とは,ベリー類果実のうち,いちご,ラズベリー,ブラックベリー,ブルーベリー,クランベリー及びハックルベリー以外のものをいう。
14 「その他の果実」とは,果実のうち,かんきつ類果実,りんご,日本なし,西洋なし,マルメロ,びわ,もも,ネクタリン,あんず,すもも,うめ,おうとう,ベリー類果実,ぶどう,かき,バナナ,キウィー,パパイヤ,アボカド,パイナップル,グアバ,マンゴー,パッションフルーツ,なつめやし及びスパイス以外のものをいう。
15 「その他のオイルシード」とは,オイルシードのうち,ひまわりの種子,ごまの種子,べにばなの種子,綿実,なたね及びスパイス以外のものをいう。
16 「その他のナッツ類」とは,ナッツ類のうち,ぎんなん,くり,ペカン,アーモンド及びくるみ以外のものをいう。
17 「その他のスパイス」とは,スパイスのうち,西洋わさび,わさびの根茎,にんにく,とうがらし,パプリカ,しようが,レモンの果皮,オレンジの果皮,ゆずの果皮及びごまの種子以外のものをいう。
18 「その他のハーブ」とは,ハーブのうち,クレソン,にら,パセリの茎,パセリの葉,セロリの茎及びセロリの葉以外のものをいう。
19 「その他の陸棲哺乳類に属する動物」とは,陸棲哺乳類に属する動物のうち,牛及び豚以外のものをいう。
20 「その他の家きん」とは,家きんのうち,鶏以外のものをいう。
21 「その他の魚類」とは,魚類のうち,さけ目類,うなぎ目類及びすずき目類以外のものをいう。
22 「その他の魚介類」とは,魚介類のうち,魚類,貝類及び甲殻類以外のものをいう。

(2) 検体
食品
検体
大麦及びそば
脱穀した種子
小麦及びライ麦
玄麦
玄米
とうもろこし
外皮,ひげ及びしんを除いた種子
その他の穀類
脱穀した種子
以下略
(3) アルドリン,エンドリン及びディルドリン試験法
6(5)に準じて行う。
(4) クレンブテロール試験法 〜略〜
(5)〜(8)  〜略〜
8 5から7までにおいて成分規格が定められていない場合であつて,農薬等の成分である物質(法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質を除く。)が自然に食品に含まれる物質と同一であるとき,当該食品において当該物質が含まれる量は,当該食品に当該物質が通常含まれる量を超えてはならない。ただし,通常含まれる量をもつて人の健康を損なうおそれのある物質を含む食品については,この限りでない。
9 次の表の第1欄に掲げる農薬等の成分である物質は,同表の第2欄に掲げる食品の区分に応じ,それぞれ同表の第3欄に定める量を超えて当該食品に含有されるものであつてはならない。食品(6の(1)の表の第2欄及び7の(1)の表の第2欄に掲げる食品を除く。)に残留する農薬等の成分である物質の量の限度
第1欄
第2欄
第3欄
アジンホスメチル
乾燥させたその他のスパイス
0.5ppm
アセフェート
乾燥させたその他のスパイス(サンショウの果実を除く。)
0.2ppm
アルジカルブ
らつかせい油(食用植物油脂の日本農林規格に規定する精製落花生油,落花生サラダ油及びこれらと同等以上の規格を有すると認められる食用油に限る。)
0.01ppm
以下略
10 6又は9に定めるもののほか,6から9までにおいて成分規格が定められている食品を原材料として製造され,又は加工される食品については,当該製造され,又は加工される食品の原材料たる食品が,それぞれ6から9までに定める成分規格に適合するものでなくてはならない。
11 6又は9に定めるもののほか,5から9までにおいて成分規格が定められていない食品を原材料として製造され,又は加工される食品については,当該製造され,又は加工される食品の原材料たる食品が,法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量を超えて,農薬等の成分である物質(同項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質を除く。)を含有するものであつてはならない。