|<資料目次> |<資料13 病因物質別発生状況>|
資料 4
集団給食施設における食中毒の原因となったメニュー例と防止対策
腸管出血性大腸菌(O157など) | |
かぶの浅漬け | 野菜由来と考え有られる。他に漬物製造時の手洗い不備による汚染。 → 非加熱食材にはリスクがある (集団給食ではないが和風キムチでも事故例がある) |
白菜の浅漬け | |
レタス | 野菜由来(原因食品とは断定されず) → 生食にはリスクがある |
カイワレ | 野菜由来、生で提供 → 生食はリスクが高い |
ノロウイルスによる事例 | |
巻き寿司、ちらし寿司 | @手洗いの励行 ・用便後、調理場入場時は「石けんを使って2度洗い」 A素手で触れない(できあがり食品への汚染防止、盛り付け用食器への汚染防止) ・使い捨て手袋やトングなどを活用する Bアサリなどの2枚貝や餅つき大会のもちなどは加熱不足にならないようにする ・中心部が85℃で1分以上になるように加熱する(ふっくらとした美味しい貝類は危険と心得る) |
ホウレンソウとアサリの わさび和え(推定) |
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おひたし(推定)、不明 (サラダ等) | |
お餅 | |
田舎饅頭(冷凍) | 饅頭やパンなどの製造元での個包装時の汚染→衛生管理ができているメーカー品を使用する |
パン、ショートケーキ | |
サルモネラ属菌 | |
マヨネーズ和え | 自家製マヨネーズの使用は危険→pHがさがりにくいため(米酢を使わない果実酢は特に要注意) |
牛肉の柳川風丼 | 加熱不足、溶き卵を一時に大量に作成し保存すると菌が大量に増殖 → 卵が充分固まるまで加熱のこと |
オムレツ、オムライス、オムソバ | 溶き卵使用し、加熱不足→美味しいが半熟は事故の元。(具の温度が低いので具に接する面は思いの外温度があがらない) |
カツ丼、親子どんぶり | 溶き卵使用し、加熱不足→美味しいが半熟は事故の元。(溶き卵を大量に作るのは危険、理想は1食1個使用) |
炒り卵、卵とじ、千草焼き | 溶き卵使用し、加熱不足→炒り卵は加熱不足に気づきにくい |
とろろそば | 卵のサルモネラは調味料があると増殖が活発になる、とろろとサルモネラは相性が良い。 |
ウエルシュ菌 | |
焼き鳥 | 加熱不足、不衛生な原材料使用、材料の常温放置 → 内部まで十分加熱する |
カレーライス、スープ | 調理後の常温放置(自然放冷)、再加熱時の加熱不足 → 加熱後3時間以上保存する場合は、急冷し冷蔵保存する → ずんどうは「危険な調理器具」と心にとめておくこと → 温蔵庫の不適切な使用によると推察される事例が発生している (食品を60℃以上で保存するのは難しい。3時間保存した炒め物での推定例有り) |
おでん、麺つゆ | |
ロールキャベツ 海老ボールのスープ煮 |
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ドライカレー | |
麻婆豆腐、 ほうれん草の煮浸し |
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セレウス菌 | |
うの花、おから煮 | 原料おからの汚染、製造後におからが低温保管されていないと、耐熱性のセレウス菌毒素(セレウリド)が蓄積し、危険。 → 加熱調理後の常温放置は不可。あら熱をとり冷蔵保存する |
焼き飯 | 加熱後の常温放置(ご飯、具、製品)、再加熱しても毒素は残る → 冷やご飯を使った場合に起きやすい。予め炒めておいたものもセレウス菌毒素は加熱に強い |
黄色ブドウ球菌 | |
イカ焼き | 加熱調理後の手指からの汚染と常温長時間保管→卵焼き、焼き魚、クレープの皮は加熱したからと言って油断すると危ない イカ焼き、たこ焼き、好み焼きなどの溶き液を4時間以上使い続けるのは非常に危険 黄色ブドウ球菌保菌者は4時間以上常温保存の可能性がある食品に使用する容器・器具に素手で触れないこと 食品中で産生された毒素(エンテロトキシン)は熱に強い |
五目ご飯、 | |
ラーメン具の豚挽肉炒め | |
冷麺、五目ご飯 | |
ヒスタミン | |
イワシの蒲焼 | 原料魚の冷蔵保管温度不備と長期間保管 → 信用のおける仕入先、製造メーカーのものを使用する(同一ロット品の事前のヒスタミン検査が望ましい) 調理後検食(味見)を行う → 唇や舌先にピリピリとした刺激を感じた場合は、速やか給食を中止 |
マグロステーキ | |
わらさの西京焼き | |
カジキの照り焼き | |
サンマの南蛮漬け サンマのハンバーグ |
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ソラニン類 | |
ジャガイモ | 小粒(未熟)イモの皮を剥かずに使用 → 小粒のもの、皮が緑色のものはとくに皮を厚めに剥く。芽の部分も除去する |
ご注意:実際の事件で原因食品と判明したもの、疑われた食材について主な可能性を考察しました。
従って、上記の食品・原因・メカニズムで発生したと断定するものではありません。
事故を起こす可能性のある食材として、頭の片隅に入れておいてください。
予め食中毒防止対策を立てることにより、「安全で安心できる食事」の提供をお願いします。(2001.08.19)
資料 (1)日本食品衛生協会発行の雑誌(食品衛生及び食と健康)
2000年6月 〜 2001.7月
(2)病原微生物検出情報(月報)Vol.21
No.7 〜 Vol.22 No.6
(3)報道資料他http://www.city.sapporo.jp/somu/koho/hodo/201208/documents/o157.pdf
(4)厚生労働省:食中毒発生事例
(5)日本スポーツ振興センター(学校給食における食中毒の発生状況)
最終更新(2012/08/17)
一部修正(2022/06/15)セレウス菌のセレウリドとぶどう球菌のエンテロトキシンが共に耐熱性毒素であることを加筆